犬や猫の腫瘍と痰の増加 – 症状・原因・治療法
犬や猫が最近痰を多く出すようになった場合、それは単なる風邪や気管支炎ではなく、腫瘍が関係している可能性もあります。本記事では、犬や猫の腫瘍と痰の関係について解説し、適切な対処法を紹介します。
痰とは?犬や猫に痰が出る原因
痰とは、気道や肺から分泌される粘液に異物や細胞が混ざったものです。犬や猫では、通常そこまで多く分泌されませんが、何らかの異常がある場合に増えることがあります。
痰が増える主な原因
- 感染症(細菌・ウイルス・真菌)
- 気管支炎や肺炎
- アレルギーや慢性炎症
- 異物の吸引
- 腫瘍(気管・肺・のど)
腫瘍が原因の場合、痰の中に血が混ざったり、呼吸困難の症状が見られることがあります。
犬や猫の腫瘍と痰の増加の関係
腫瘍が気道や肺、鼻腔に発生すると、以下のような症状を引き起こすことがあります。
1. 気管・肺の腫瘍
- 乾いた咳や湿った咳が続く
- 痰の増加(粘り気のあるものや血が混じることも)
- 呼吸が苦しそうになる
- 運動を嫌がる、疲れやすくなる
2. 鼻腔内の腫瘍
- 慢性的なくしゃみや鼻水
- 鼻血(片側だけのことが多い)
- 痰の増加(鼻汁が喉に流れ込むため)
- 鼻の腫れや変形
3. 喉(咽頭・喉頭)の腫瘍
- 声がかすれる、鳴き声が変わる
- 飲み込みにくそうにする
- 痰が絡んでいるような仕草をする
- よだれの増加
すぐに動物病院を受診すべき症状
以下の症状が見られる場合、早急に動物病院を受診しましょう。
- 長引く咳や痰の増加
- 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒューする音がする)
- 鼻血や血痰が出る
- 食欲不振、体重減少
- 顔や首の腫れがある
診断方法
腫瘍が疑われる場合、動物病院では以下のような検査が行われます。
- 身体検査:聴診・視診・触診を行い、異常の有無を確認
- X線検査(レントゲン):肺や気道、鼻腔の異常をチェック
- CT・MRI検査:腫瘍の大きさや広がりを詳しく調べる
- 細胞診・生検:腫瘍の種類を特定するための組織検査
治療方法
腫瘍の種類や進行度によって、以下のような治療が選択されます。
1. 外科手術
- 可能であれば、腫瘍を外科的に切除
- 早期発見の場合に特に有効
2. 放射線治療
- 手術が難しい場所の腫瘍に適用
- 腫瘍の進行を抑える効果がある
3. 抗がん剤治療
- 血液のがん(リンパ腫など)や転移した腫瘍に有効なことがある
4. 緩和ケア
- 痛みや苦しさを軽減するための治療
- 呼吸を楽にするための薬や酸素療法
予防と早期発見の重要性
腫瘍を完全に予防することは難しいですが、早期発見が治療の成功率を高めます。
予防のためにできること
- 定期的な健康診断を受ける(特に高齢の犬猫)
- 呼吸や痰の異常に早く気づく
- 清潔な環境を維持し、受動喫煙を避ける
まとめ
犬や猫の痰が増える原因の一つとして、腫瘍が関係している可能性があります。単なる風邪だと思って放置せず、長引く症状があれば早めに動物病院を受診しましょう。
当院では、最新の診断機器を用いた検査と治療を行っております。愛犬や愛猫の咳や痰、呼吸の異常が気になる場合は、お気軽にご相談ください!
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レラ動物病院
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