犬や猫の皮膚にできる腫瘍 〜ニキビのようなできものと痒み〜

犬や猫の皮膚にできる腫瘍 〜ニキビのようなできものと痒み〜

犬や猫の皮膚に、ニキビのような小さなできものが多数でき、痒がる様子を見せることがあります。このような症状は単なる皮膚炎の場合もありますが、腫瘍が関係している可能性もあります。今回は、犬や猫の皮膚にできる腫瘍やできものの原因、診断方法、治療法について詳しく解説します。


皮膚にできる腫瘍とは?

皮膚の腫瘍は、皮膚の表面や内部に発生する良性または悪性の腫瘍のことを指します。犬や猫の皮膚に小さなできものが複数発生し、痒みを伴う場合は、以下のような病気が考えられます。

好発犬種・猫種

  • :ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、フレンチ・ブルドッグ、ゴールデン・レトリーバー
  • :スフィンクス、シャム猫、ペルシャ猫

犬や猫の皮膚にニキビのような腫瘍ができる原因

1. 皮膚肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)

犬や猫の皮膚にできる代表的な腫瘍の一つで、かゆみを伴うことが多いです。最初は小さなできものに見えますが、急速に大きくなることがあります。

2. 皮脂腺腫

老犬によく見られる良性の腫瘍で、ニキビのような小さなできものが多数発生することがあります。基本的には問題ありませんが、大きくなった場合は切除が必要になることもあります。

3. 皮膚炎やアレルギー

腫瘍ではなく、皮膚炎やアレルギー反応によってニキビのようなできものができることがあります。食物アレルギーや環境アレルギーが原因となることが多いです。

4. 伝染性膿皮症

細菌感染によって皮膚に小さな膿疱(ニキビのようなできもの)ができる病気です。痒みを伴い、広がることもあります。

5. ダニや寄生虫感染

疥癬(かいせん)や毛包虫(ニキビダニ)が原因で、皮膚に小さなできものができ、強い痒みが発生します。


皮膚の腫瘍やできものの診断方法

犬や猫の皮膚にできものが見られた場合、動物病院では以下のような検査を行います。

  • 視診・触診:皮膚の状態を観察し、大きさや硬さを確認
  • 細胞診:細い針を刺して細胞を採取し、腫瘍の種類を判別
  • 生検(組織検査):できものの一部を切り取り、詳しく分析
  • 培養検査:細菌やカビの感染の有無を調べる
  • 血液検査:全身状態やアレルギーの有無を確認

治療方法

犬や猫の皮膚にできる腫瘍やできものの治療は、原因によって異なります。

1. 腫瘍の切除手術

良性・悪性に関わらず、大きくなる可能性のある腫瘍は外科的に切除することがあります。

2. 抗がん剤や放射線治療

悪性腫瘍の場合、抗がん剤治療や放射線治療が必要になることがあります。

3. 抗生剤やステロイド治療

細菌感染やアレルギー性の皮膚炎が原因の場合、抗生剤やステロイドを使って炎症を抑えます。

4. シャンプー療法

抗菌・抗炎症効果のあるシャンプーを使用し、皮膚の清潔を保つことで症状を改善できます。

5. 食事療法

アレルギーが原因の皮膚炎の場合、食事の見直しが必要になることがあります。


予防策と日常ケア

犬や猫の皮膚トラブルを防ぐためには、日頃のケアが重要です。

1. 定期的な健康チェック

皮膚の異常を早期発見するために、日々のブラッシングやスキンチェックを行いましょう。

2. 清潔な環境を維持

寝床や部屋の掃除をこまめに行い、細菌やダニの繁殖を防ぎましょう。

3. 皮膚に優しいシャンプーを使用

低刺激のシャンプーを使い、皮膚の健康を保ちましょう。

4. 栄養バランスの取れた食事

皮膚の健康を維持するために、良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸を含む食事を与えましょう。


まとめ

犬や猫の皮膚にニキビのようなできものが多数発生し、痒みを伴う場合は、単なる皮膚炎ではなく腫瘍や感染症の可能性も考えられます。早期発見・早期治療が重要なので、気になる症状がある場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

当院では、皮膚トラブルの診断・治療を行っております。愛犬や愛猫の皮膚に異常を感じたら、お気軽にご相談ください!

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レラ動物病院
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