犬や猫の腫瘍?カビ?広がる脱毛の原因と対策

犬や猫の腫瘍?カビ?広がる脱毛の原因と対策

犬や猫の毛が部分的に抜けて広がっていくと、飼い主としては心配になります。特に、痒みがないのに脱毛が進行する場合、腫瘍やカビ(真菌感染)などの可能性も考えられます。本記事では、犬や猫の脱毛が広がる原因とその対処法について解説します。


広がる脱毛の主な原因

1. 真菌(カビ)感染症(皮膚糸状菌症)

犬や猫の皮膚糸状菌症は、真菌(カビ)の一種が原因で発生します。

特徴

  • 円形の脱毛が発生し、徐々に広がる
  • 痒みがないことが多いが、炎症が進むと軽度の痒みを伴うことも
  • 皮膚が赤くなったり、フケが増える
  • 子犬・子猫や免疫力が低下している動物で発症しやすい
  • 人にも感染することがある(人獣共通感染症)

診断・治療

  • ウッド灯(紫外線ライト)で検査
  • 皮膚の培養検査で真菌の種類を特定
  • 抗真菌薬の投与(内服薬・外用薬)
  • 環境の消毒が重要(寝具やケージをこまめに清掃)

2. 皮膚腫瘍

良性・悪性を問わず、皮膚に腫瘍ができると周囲の毛が抜けることがあります。

特徴

  • 硬いしこりやしこりの周囲の脱毛
  • 炎症が少なく、痒みがない
  • 徐々に脱毛部分が広がる
  • しこりが大きくなっていく場合は要注意

診断・治療

  • 針生検や細胞診で腫瘍の種類を特定
  • 良性の場合は経過観察、悪性の場合は外科手術や放射線治療
  • 早期発見が重要

3. ホルモン異常(内分泌疾患)

ホルモンバランスの異常によって脱毛が進行することがあります。

代表的な病気

  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症):左右対称の脱毛、腹部の膨満、元気がない
  • 甲状腺機能低下症:寒がる、皮膚が乾燥する、毛が生えにくい

診断・治療

  • 血液検査でホルモン値を測定
  • 内分泌異常が確認された場合、投薬治療を行う

すぐに動物病院を受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

  • 脱毛範囲が急激に広がる
  • 皮膚にしこりがある、腫れが広がる
  • 全身に広がる脱毛
  • 他の症状(元気がない、食欲不振、異常な体重変化など)が見られる

自宅でできる対策と予防

  1. 皮膚の清潔を保つ
    • 定期的なブラッシングで皮膚の異常を早期発見
    • シャンプーを適切に行い、皮膚の状態を良好に保つ
  2. 環境の管理
    • 真菌感染を防ぐために寝具やケージを定期的に洗浄
    • 湿気の多い環境を避ける(カビの繁殖を抑える)
  3. 定期的な健康診断
    • ホルモン異常や腫瘍を早期発見するために、定期検診を受ける

まとめ

犬や猫の脱毛が広がる原因は、真菌感染、皮膚腫瘍、ホルモン異常などさまざまです。特に、痒みがないのに脱毛が進行する場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。

当院では、皮膚の検査や治療を行っておりますので、愛犬・愛猫の脱毛が気になる場合は、お気軽にご相談ください!

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レラ動物病院
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