高齢の犬や猫の食欲不振と腫瘍の関係

高齢の犬や猫の食欲不振と腫瘍の関係

高齢の犬や猫が食欲をなくすと、飼い主としてはとても心配になります。加齢によるものなのか、それとも病気が原因なのか判断が難しいこともあります。特に、腫瘍が原因で食欲が低下するケースもあるため、早めの対応が重要です。本記事では、高齢の犬や猫の食欲不振と腫瘍の関係について解説します。


高齢の犬や猫に見られる食欲不振の原因

1. 腫瘍(がん)

腫瘍の中には、犬や猫の食欲低下を引き起こすものもあります。

特徴

  • 口腔内腫瘍(口の中の腫瘍):痛みで食べづらくなる
  • 消化器系の腫瘍:胃や腸に腫瘍があると食欲が落ちる
  • 進行性の腫瘍:代謝異常や炎症反応で体調が悪くなる
  • 体重減少や元気の低下も伴うことが多い

診断・治療

  • 血液検査、X線検査、超音波検査で腫瘍の有無を確認
  • 病理検査で腫瘍の種類を特定
  • 外科手術、抗がん剤、緩和ケアなどの治療法を検討

2. 加齢による味覚や嗅覚の低下

高齢になると味覚や嗅覚が鈍くなり、食事への興味が減ることがあります。

特徴

  • 好きだった食べ物を食べなくなる
  • 食事の匂いを嗅ぐが食べない
  • 食べる量が徐々に減る

対策

  • 香りの強いウェットフードを与える
  • ドライフードをぬるま湯でふやかして食べやすくする
  • 手作り食や栄養補助食品を活用する

3. 慢性疾患(腎臓病・心臓病・肝臓病)

高齢の犬や猫は、慢性疾患を抱えていることが多く、それが食欲低下の原因になることもあります。

代表的な病気

  • 慢性腎臓病:水をたくさん飲む、体重が減る、嘔吐
  • 心臓病:疲れやすい、呼吸が荒い
  • 肝臓病:黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、元気がない

診断・治療

  • 血液検査や尿検査で臓器の状態を確認
  • 病状に応じた食事療法や投薬を行う

すぐに動物病院を受診すべき症状

以下の症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

  • 食欲が1日以上ない
  • 体重が急激に減少している
  • 嘔吐や下痢を伴う
  • ぐったりして動きたがらない

自宅でできる食欲改善の工夫

  1. フードの温め
    • ぬるま湯や電子レンジで温めると香りが立ち、食欲を刺激する
  2. 食べやすい形状にする
    • ウェットフードに変える
    • ドライフードを砕いて柔らかくする
  3. 食事環境を整える
    • 静かな場所でゆっくり食べさせる
    • 食器を清潔に保つ

まとめ

高齢の犬や猫の食欲不振は、単なる老化だけでなく、腫瘍や慢性疾患が原因であることもあります。特に、体重減少や元気の低下が伴う場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。

当院では、高齢のペットの健康診断や食事相談を行っています。愛犬・愛猫の食欲が気になる場合は、お気軽にご相談ください!

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レラ動物病院
〒001-0907
北海道札幌市北区新琴似7条9丁目5−8
011-769-2500
セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-