【症例紹介】寒い季節に注意!犬の低体温症
低体温症とは?
冬の寒さが本格化するこの季節、犬や猫でも「低体温症」にかかることがあります。低体温症とは、体温が正常範囲を下回り、体の機能に影響を及ぼす状態を指します。犬の正常体温は約38〜39℃ですが、36℃を下回ると低体温症と診断されることがあります。
低体温症は、体温調節がうまくいかなくなり、全身の臓器や代謝に異常をきたす危険な状態です。特に小型犬、老齢犬、子犬、また脂肪が少ない犬種はリスクが高いとされています。
今回の症例:高齢チワワの低体温
今回ご紹介するのは、12歳のチワワ、体重2.5kgの老齢犬です。飼い主様が「元気がない」「震えている」と来院されました。触診と体温測定の結果、体温は35.2℃。通常よりも大幅に低く、明らかに低体温症の状態でした。
血液検査では、軽度の脱水と低血糖も確認されました。低体温症は、単なる寒さだけでなく、脱水や低血糖、感染症など複数の要因が絡むこともあるため、原因を特定することが治療の鍵となります。
低体温症の症状
犬の低体温症では、次のような症状が現れることがあります。
- 元気がない、ぐったりしている
- 震える(寒さに反応していない場合もある)
- 呼吸や心拍数の低下
- 粘膜の蒼白や紫色化
- 食欲不振や嘔吐
今回のチワワも、震えと元気消失が主な症状でした。重度になると意識障害や心停止の危険もありますので、早期発見が重要です。
治療と対応
低体温症の治療は、体温を安全に上げることが最優先です。今回の症例では、以下の対応を行いました。
- 保温
毛布で体全体を包み、電気毛布やカイロを使用して徐々に体温を上げます。急激な加温は心臓に負担がかかるため注意が必要です。 - 点滴治療
脱水がある場合は、温めた静脈点滴で体液補正と同時に体温を上げます。 - 栄養補給
低血糖が見られる場合は、ブドウ糖の投与で血糖を安定させます。 - 原因の治療
感染症や他の疾患が原因の場合は、抗生物質や内科的治療も併用します。
幸い、今回のチワワは早期に発見されたため、1日程度の入院で体温と元気を回復しました。退院後も飼い主様には、寒さ対策や食事の工夫をアドバイスしました。
低体温症を防ぐために
寒い季節、犬や猫の低体温症を防ぐためにできることは多くあります。
- 寒い時間帯の散歩を避ける、または洋服やブランケットで保温する
- 特に老犬や小型犬は温かい寝床を用意する
- 食欲や元気の変化に注意し、早めに受診する
犬や猫は自分で体温管理が難しいことがあります。飼い主が少し注意するだけで、低体温症のリスクを大幅に減らすことができます。
まとめ
低体温症は、冬の寒さだけでなく、年齢や体調、持病などさまざまな要因で起こる危険な状態です。今回のチワワのように、早期発見と適切な処置があれば回復は可能です。
飼い主の皆さんも、愛犬や愛猫の体調変化に敏感になり、寒い季節には特に注意してください。元気に冬を乗り越えるための小さな工夫が、大切な家族の命を守ります。
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