犬の膀胱炎~症例紹介と予防・ケアのポイント~

犬の膀胱炎~症例紹介と予防・ケアのポイント~

こんにちは。レラ動物病院です。今回は犬のよくある泌尿器トラブル「膀胱炎」について、実際の症例を交えながらご紹介します。膀胱炎は比較的よく見られる病気ですが、症状が軽く見えることも多く、放置すると慢性化することがあります。早期発見・早期治療が大切です。


1. 症例紹介:7歳のミニチュアダックス「ココちゃん」

今回ご紹介するのは、7歳のミニチュアダックスフンド、ココちゃんです。飼い主様が「トイレの回数が増え、少量ずつしか出ない」と心配されて来院されました。さらに、排尿時に痛がる様子が見られるとのことでした。

診察すると、膀胱がわずかに張っており、尿に血が混じっているのが確認されました。触診や尿検査を行ったところ、典型的な膀胱炎の症状と診断されました。


2. 犬の膀胱炎とは?

膀胱炎は、膀胱の粘膜が炎症を起こす状態です。原因はさまざまで、代表的なものは以下の通りです。

  • 細菌感染:大腸菌など腸内細菌が尿道を通って膀胱に侵入することが最も多い原因です。
  • 結石や異物:尿路結石や異物が膀胱内にあると、炎症が起こりやすくなります。
  • 代謝疾患や免疫異常:糖尿病やホルモン異常、免疫低下により膀胱炎が起こりやすくなります。
  • ストレスやトイレ環境の変化:排尿を我慢することも膀胱炎のきっかけになります。

ココちゃんの場合は、細菌感染による膀胱炎でした。


3. 症状のサイン

犬の膀胱炎は、飼い主様が気づきやすい症状があります。

  • トイレの回数が増える
  • 尿の量が少ない
  • 排尿時に痛がる、鳴く
  • 尿に血が混じる(血尿)
  • 舐める回数が増える

症状が軽い場合や高齢犬では、食欲不振や元気の低下として現れることもあります。


4. 診察と検査

膀胱炎が疑われる場合、まずは尿検査が行われます。尿中の細菌や白血球の有無を確認することで診断します。また、必要に応じて血液検査や超音波検査で膀胱内の結石や腫瘍の有無を調べます。

ココちゃんは尿検査で白血球と赤血球の増加が確認され、細菌培養の結果、大腸菌が原因であることが判明しました。膀胱に結石や腫瘍は見られませんでした。


5. 治療とケアのポイント

膀胱炎の治療は原因に応じて行いますが、細菌性の場合は抗生物質の投与が基本です。加えて、排尿を促す工夫や水分補給も重要です。

  1. 抗生物質の投与
     獣医師の指示に従い、症状が改善しても必ず最後まで投与します。途中で止めると再発の原因になります。
  2. 水分補給
     十分な水分を摂ることで尿量が増え、膀胱内の細菌や老廃物を洗い流す効果があります。ウェットフードの併用もおすすめです。
  3. 排尿の習慣化
     長時間の我慢を避け、こまめに散歩や排尿の機会を設けます。
  4. 食事・生活環境の見直し
     尿路結石予防フードや、ストレスの少ない環境づくりが再発防止につながります。

ココちゃんには抗生物質を2週間投与し、毎日の散歩で排尿を促すようにしました。1週間後には排尿痛や血尿が改善し、2週間後にはほぼ正常な尿量に戻りました。


6. まとめ

犬の膀胱炎は早期に対処することで、短期間で改善が見込める病気です。しかし、放置すると慢性化したり、腎臓にまで影響することがあります。

  • トイレの回数や尿の状態を日常的に観察
  • 水分補給をしっかり行い、排尿を促す
  • 抗生物質は必ず指示通りに投与
  • 再発防止のため、食事や生活習慣の見直し

小さなサインを見逃さず、気になる症状は早めに動物病院に相談してください。ココちゃんのように、適切な治療とケアで快適な生活を取り戻すことができます。

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