猫とこたつ:ずっと入っていると脱水になるの?
こんにちは、レラ動物病院です。冬になると、猫がこたつや暖かい布団の中で丸くなる姿をよく見かけます。可愛い姿ですが、「猫がずっとこたつの中にいると脱水症状になるのでは?」と心配する飼い主様もいらっしゃいます。今回は実際の症例を交えながら、猫の水分管理について解説します。
1. 症例紹介:7歳のアメリカンショートヘア「ソラちゃん」
今回の症例は7歳のアメリカンショートヘア、ソラちゃん。飼い主様が「最近、こたつの中で過ごす時間が長く、水をあまり飲まない」と相談に来られました。ソラちゃんは元気そうに見えましたが、触診でわずかに皮膚の弾力が低下しており、口の中も少し乾燥していました。
血液検査の結果、血漿の濃度がやや高めで軽度の脱水状態が確認されました。診察の結果、原因は「冬の室内暖房と長時間のこたつ滞在による水分摂取不足」でした。
2. 猫はなぜ脱水しやすいのか?
猫は元々砂漠環境に適応してきた動物で、水分摂取量が少なくても耐えられる体質です。そのため、飼い主が水をあまり意識させなくても大丈夫と思われがちですが、実は脱水症状が起こることがあります。
- 暖房やこたつの乾燥
暖房やこたつの中は空気が乾燥しやすく、知らず知らずのうちに水分を失います。 - 水を飲まない習性
猫は水を飲む回数が少なく、湿ったフードや水皿が近くにないと水分不足になりやすいです。 - 年齢や体調
高齢猫や腎臓病、甲状腺疾患のある猫は水分不足に敏感です。
ソラちゃんは室内飼いで元気そうに見えましたが、長時間こたつで過ごすことで自然な水分摂取量が減り、軽度の脱水を起こしていました。
3. 脱水のサインとチェック方法
猫の脱水は見た目ではわかりにくいことがあります。飼い主が確認できるサインとしては以下があります:
- 皮膚の弾力低下:肩のあたりの皮膚を軽くつまみ、すぐに戻らない
- 口の中の乾燥:舌や歯茎が乾燥している
- 尿量の減少:トイレの回数が減る
- 元気や食欲の低下:重度になるとぐったりする
軽度でも放置すると腎臓や血液循環に負担がかかるため、早めの対応が重要です。
4. 治療と対策
ソラちゃんには以下の対応を行いました:
- 水分補給
スポイトで少量ずつ水を与えたり、ウェットフードを増やすことで水分摂取量を確保。 - 環境管理
こたつの外にも暖かい休憩場所を用意し、水や食事にアクセスしやすい環境にしました。 - 定期チェック
皮膚の弾力や尿量を飼い主様に観察してもらうよう指導。
数日で皮膚の弾力も回復し、血液検査の数値も正常化しました。ソラちゃんは今ではこたつにも入りますが、定期的に水を飲むようになっています。
5. 猫の冬の水分管理のポイント
冬は猫の水分管理が疎かになりがちですが、以下のポイントを意識すると脱水を防げます:
- 水飲み場の工夫
複数の場所に清潔な水を用意する。猫用の流れる水飲み器もおすすめ。 - ウェットフードの併用
水分量が多いフードを普段の食事に取り入れる。 - 休憩場所の工夫
こたつだけでなく、暖かい場所で水にアクセスできるようにする。 - 観察の習慣
皮膚の弾力や尿量、食欲の変化を日々チェックする。
猫は脱水しても症状が出にくいため、飼い主の観察がとても重要です。
6. まとめ
冬場に猫がこたつで長時間過ごすこと自体は問題ありませんが、水分補給が不足すると軽度の脱水症状を起こす可能性があります。軽度の脱水でも体に負担がかかるため、以下を心がけましょう:
- 水飲み場を複数設置
- ウェットフードで水分を補う
- 皮膚の弾力や尿量の変化を観察
- 必要に応じて動物病院でチェック
ソラちゃんのように、少しの工夫で冬でも安全に暖かく過ごすことができます。猫の健康を守るために、水分補給と観察を習慣にしましょう。
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