歯石ってなに?放っておくとどうなるの?
ワンちゃんやネコちゃんのお口のケア、していますか?
「うちの子、最近口が臭うかも…」「歯に黄色いカリカリしたのがついてる…」と感じたら、それは**“歯石”がたまっているサインかもしれません。**
今回は、「歯石って何?」「どうしてできるの?」「放っておくとどうなるの?」など、飼い主さんが気になる疑問にわかりやすくお答えします!
歯石とは?ただの汚れじゃない!
歯石とは、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)が、唾液中のミネラルと結びついて硬くなったものです。
ざっくり言うと、**“細菌のかたまりが石のように固まった状態”**です。
初期の歯垢は柔らかく、歯磨きで落とせます。
ですが、たった2〜3日で歯石に変化してしまい、一度固まってしまうともう歯ブラシでは取れません!
歯石ができるまでの流れ
- ごはんの後、歯の表面に**歯垢(プラーク)**が付く
- 歯磨きなどのケアをせず放置
- 唾液のミネラルと結びついて石灰化
- 数日〜1週間で固い歯石が形成
このようにして、見た目には黄白色~茶色の歯石が歯にベタっとくっついてしまうのです。
歯石を放っておくとどうなるの?
「ちょっとついてるだけなら問題ないよね?」と思うかもしれませんが、歯石は見た目以上に危険です。
◆ 歯周病の原因になる
歯石はただの石ではなく、中に大量の細菌が潜んでいます。
歯茎の奥まで炎症が広がり、歯周病(歯肉炎や歯槽膿漏)を引き起こします。
◆ 歯がグラグラ・抜けてしまう
歯周病が進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜けてしまいます。
◆ 痛みや出血、口臭の悪化
炎症があると、口の中が痛くてごはんが食べづらくなったり、歯茎から出血したり、口臭がきつくなったりします。
◆ 細菌が全身に広がることも
口の中の細菌が血流に乗って全身に回ると、心臓・腎臓・肝臓などの内臓に影響を及ぼすこともあります。
これは**「歯原性菌血症」**と呼ばれ、特に高齢の動物では注意が必要です。
犬と猫、歯石のつきやすさに違いがある?
🐶 犬の場合
犬は人間よりも唾液がアルカリ性に近く、歯石がとてもつきやすい体質です。
特に**小型犬(チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど)**は歯並びが密集しており、3歳を過ぎると80%以上が歯周病の兆候があるとも言われています。
🐱 猫の場合
猫は犬よりもやや歯石がつきにくい傾向にありますが、歯肉口内炎などの別のトラブルが起こりやすいため、歯のケアは必須です。
歯石を取るにはどうすればいいの?
歯石はブラッシングでは取り除けません。
専用のスケーラー(超音波機器)を使い、動物病院で処置する必要があります。
◆ 歯石除去処置(スケーリング)
- 一般的に全身麻酔が必要です(動物が動かないよう、安全に行うため)
- 表面だけでなく、歯の根元や歯周ポケットの中までしっかり洗浄
- 処置後はポリッシング(研磨)して、再付着を防ぎます
歯石をつけないための予防法
日頃のケアが何より大切!
以下の方法で、歯石ができるスピードをぐんと遅くすることができます。
- 🪥 歯磨き習慣をつける(理想は毎日)
- 🦴 歯みがきガムやデンタルおもちゃの活用
- 🍽 デンタルケアに配慮されたフードの使用
- 🏥 定期的な動物病院での口腔チェック
まとめ:歯石は「ただの汚れ」じゃない!
✅ 歯石は、細菌のかたまりが固まってできたもの
✅ 放置すると歯周病・歯の脱落・全身病につながる
✅ 歯石は自宅では取れない。予防がカギ!
✅ 歯磨き+定期的な診察で健康なお口を守ろう
お口のトラブルは、初期のうちに気づくことがとても大切です。
「ちょっと歯が黄色いな」「口臭が気になるな」と思ったら、お気軽に当院までご相談くださいね。
🐾健康な歯で、いつまでも美味しく楽しくごはんを!
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レラ動物病院
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