愛犬・愛猫の歯が抜けた!?そのまま放っておくとどうなる?
ある日ふと口元を見ると、歯が1本抜けている…!
「自然に抜けたなら大丈夫?」「年を取ったからしょうがない?」と不安に思いつつも、病院に行くほどでは…と様子見される方も多いかもしれません。
しかし、歯が抜けたことは“体の中で何かが起こっているサイン”の可能性があります。
今回は、犬や猫の歯が抜ける原因や、放置するとどうなるのかを詳しく解説します。
犬や猫の歯が抜けるのはなぜ?
🔸 老化による自然脱落?
高齢の動物では、歯の根が弱くなって抜けてしまうこともあります。ですが、「歳だから仕方ない」で終わらせてはいけません。歯が抜ける背景には、多くの場合“病気”が隠れていることが多いのです。
🔸 一番多い原因は“歯周病”!
犬や猫の歯が抜ける原因の圧倒的多数は歯周病です。
歯周病は、歯と歯茎の間に細菌が侵入して炎症を起こし、やがて歯を支える骨を破壊してしまう病気。症状が進行すると、ぐらつき、出血、痛み、そして抜歯に至ります。
歯が抜けたまま放置するとどうなる?
◆ 他の歯も抜けるリスクが高まる
歯周病が原因で1本抜けたということは、口の中にはまだ他にもダメージを受けている歯がある可能性が非常に高いです。
そのままにしておくと、次々と歯がぐらつき、抜けてしまうことも…!
◆ 顎の骨まで溶けることがある
歯周病が進行すると、歯だけでなく歯の土台である顎の骨にも炎症が広がることがあります。
特に小型犬や猫では、顎の骨折(病的骨折)を起こすこともあり、これは非常に深刻な状態です。
◆ 痛みや不快感で食欲が落ちる
歯が抜けている、あるいは抜けかけている状態は、動物にとってかなりの痛みや不快感を伴うことがあります。
その結果、ごはんを食べたがらない・好き嫌いが出る・食べるのに時間がかかるなどの行動が見られます。
◆ 細菌が体内に広がる危険も
口内の炎症は放置すると、血液を通じて心臓や腎臓、肝臓など他の臓器に細菌が回ってしまうことも。
これは「歯原性菌血症」と呼ばれ、高齢の動物や持病がある子では命に関わるリスクもあるため要注意です。
歯が抜けたときに見るべきポイント
歯が抜けてしまったときは、以下の点に注意してチェックしてみましょう。
- 抜けた歯に根っこがついているか(折れて残っていないか)
- 抜けた周囲の歯茎が赤く腫れていないか
- 出血や膿が出ていないか
- 口臭が強くなっていないか
- ごはんを食べづらそうにしていないか
どれか一つでも当てはまるようであれば、すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
抜けた歯は“終わり”じゃない!これからが大切!
歯が抜けた=問題が終わった、のではなく、**「口の健康を見直すチャンス」**ととらえることが大切です。
動物たちは自分で歯のケアをすることができません。だからこそ、飼い主さんによるケアと、定期的な動物病院でのチェックが重要なのです。
歯が抜けたときの対処法まとめ
✅ 抜けた歯は捨てずに保管し、病院へ持参すると診断の参考になります
✅ 口の中を無理にいじらず、やわらかいごはんで様子を見る
✅ 痛がる、出血が止まらない、ごはんを食べないなどの様子があれば早急に受診
まとめ:歯が抜けたのは「サイン」。見逃さないで!
歯が抜けたことは、動物たちが出してくれている「何かがおかしいよ」というサインです。
たとえ1本だけでも、それが歯周病や他の病気の入り口になっていることもあります。
大切な愛犬・愛猫が健康な歯と一緒に、元気に長生きできるように、
歯が抜けたときは一度しっかり口腔内をチェックし、必要に応じて病院での診察を受けましょう。
💬 ご相談・定期的な歯科検診もお気軽にどうぞ!
口の健康は、全身の健康につながっています。
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