歯が割れた!?そのまま放っておくとどうなるの?
愛犬や愛猫の歯をふと見たときに「なんだか歯が欠けている」「真っ二つに割れているかも?」と気づいたことはありませんか?
実は、犬や猫も歯が割れることがあり、放置してしまうと健康に大きな影響を及ぼすこともあるのです。
今回は、「歯が割れたときにどうなるのか」「治療は必要なのか」「放置した場合に起こるリスク」などについてわかりやすく解説します。
歯が割れる原因は?
犬や猫の歯が割れる原因はさまざまですが、よくあるパターンは以下の通りです。
● 硬いものをかじった
→ ヒヅメ、鹿角、固いおもちゃ、アイスの棒など、噛みごたえがあるおやつやおもちゃで破折するケースが多く見られます。
● 事故やケガ
→ どこかにぶつけたり、高い所から落ちて歯を打ったりして折れることもあります。
● 歯周病によるもろさ
→ 歯周病が進行していると、歯の土台が弱くなって割れやすくなることがあります。
割れた歯を放置するとどうなる?
◆ 表面だけのヒビなら…?
もしほんの小さなヒビや一部が欠けているだけであれば、すぐに深刻な問題は起きないこともあります。ただし、放置しているうちに傷が広がったり、細菌が入りやすくなったりするので要注意です。
◆ 問題は“神経が見えているか”どうか
犬や猫の歯には人間と同じように神経(歯髄)が通っており、歯の中心部分にあります。
割れたことでその神経が露出してしまうと、とても痛く、感染のリスクも非常に高くなります。
歯の神経が露出すると…
🔻 感染が起きる
神経が外に出ていると、食べ物や唾液の中にある細菌が直接入り込み、歯髄炎(しずいえん)や根尖膿瘍(こんせんのうよう)を引き起こすことがあります。
これは歯の根っこ(歯根)に膿がたまる状態で、かなりの痛みを伴います。
🔻 食欲が落ちる・元気がなくなる
痛みで食べ物をうまく噛めず、ごはんを食べたがらなくなったり、片側だけで噛むようになったりします。慢性的に痛みがあると、活動性や気分にも影響が出てきます。
🔻 歯の根の病気が広がると…
感染が進むと、顎の骨に炎症が広がったり、鼻の奥に膿がたまって鼻水やくしゃみが出ることも。
さらに悪化すれば、目の下が腫れたり、皮膚から膿が出てくるケースもあります。
割れた歯は必ず治療が必要?
基本的に、割れて神経が露出している歯は治療が必要です。
【治療方法の例】
- 抜歯:最も一般的な方法。特に神経が露出していて感染がある場合、抜歯が選択されます。
- 根管治療(歯の神経の治療):歯を残したい場合に行われる治療ですが、対応できる動物病院が限られます。
治療の選択肢は、歯の割れ具合、動物の年齢、全身状態、生活スタイルなどを考慮して決めていきます。
痛みを我慢する犬・猫だからこそ要注意
動物たちは、人間のように「痛い」とは言えません。
そのため、飼い主さんが**「なんとなく元気がない」「ごはんを残すようになった」「片側でしか噛まない」といった小さな変化に気づくことが大切**です。
見た目には元気に見えても、歯の中では激しい痛みや感染が起きている可能性もあるのです。
割れた歯を見つけたら、どうすればいい?
- まずは病院へ!
割れ方や痛みの程度によって処置は変わりますので、自己判断せず、必ず動物病院で診察を受けましょう。 - その歯では噛ませないようにする
治療までの間、硬い食べ物やおもちゃは避け、やわらかいフードに変更しましょう。 - 歯磨きは控える
傷口を刺激しないためにも、治療前の歯磨きは避け、処置後に改めてケアを始めるようにします。
まとめ
✅ 犬や猫も硬いものを噛んで歯が割れることがある
✅ 神経が見えていると、激しい痛みや感染を引き起こす
✅ 歯の中に膿がたまると、顎や鼻にまで影響が広がる
✅ 割れた歯を放置すると食欲や元気の低下につながる
✅ 少しでも異常を感じたら、早めに動物病院を受診しよう
歯は毎日使う大切な器官です。
だからこそ、「歯が割れたかも?」と思ったら、早めの対応がワンちゃん・ネコちゃんの健康を守る第一歩です。
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レラ動物病院
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