どんなもので歯は折れるの? ~犬や猫の歯のトラブルに注意~
愛犬・愛猫の歯をしっかりチェックしていますか?
「おもちゃを噛んでいたら歯が折れてしまった」
「気づいたら前歯が欠けている」
そんなご相談を動物病院ではよくいただきます。
実は犬や猫の歯は、硬いものを噛んだだけで折れてしまうことがあるんです。
今回は、どんなものを噛むと歯が折れるのか?折れたらどうなるのか?予防法は?
そんな疑問にお答えします!
犬や猫の歯は意外と折れやすい?
犬の歯は鋭くて丈夫そうに見えますが、「エナメル質」という歯の一番外側の層が人よりも薄く、折れやすい構造をしています。
特に、大型犬や噛む力が強い犬種では注意が必要です。
猫も同様に、高齢や病気などで歯が弱くなっていると簡単に折れてしまうことがあります。
歯が折れる原因:こんなものに注意!
🦴 1. 牛骨・鹿角・ヒヅメ
ペットショップで人気の「ナチュラルおやつ」ですが、これらは非常に硬く、歯を折る原因の筆頭です。
- 牛骨:中にうまみがあるため長時間噛み続ける
- 鹿角:天然素材で人気だが、硬度が高く危険
- ヒヅメ:表面がツルツルして滑りやすく、力が集中して歯が割れる
▶ 獣医師としては、これらは基本的におすすめしていません。
🎾 2. テニスボールなどの摩耗系おもちゃ
「テニスボールが好きでずっと噛んでるんです」という子もいますが、実はこれも危険。
- 表面のフェルト素材が歯の表面をすり減らす
- 噛むことで歯の摩耗が進行し、ひびが入りやすくなる
▶ 時間を決めて与える、代替品を選ぶことが大切です。
🍖 3. 硬すぎるおやつ・乾燥肉やジャーキー
特に大きなサイズの硬いジャーキーや乾燥骨は、歯に強い力が加わるため折れることがあります。
「噛んだ瞬間、バキッと音がして歯が…」というケースも実際にあります。
▶ 硬いものは「爪で刺せないくらいの硬さならNG」が目安。
🧱 4. 固定されている物(鉄柵・家具など)
留守番中やストレスを感じていると、ケージの柵や家具を噛んで歯を折ってしまうこともあります。
- 特に若い犬、ストレスが強い子に多い
- 環境の見直しや、おもちゃの工夫で予防を
▶ 家具を保護したり、噛んでも安全な素材を与えると◎
歯が折れるとどうなるの?
🦷 神経がむき出しになると痛みが強い!
歯が折れると、歯髄(神経や血管)が露出することがあり、強い痛みや炎症が出ます。
また、折れた歯から細菌が入ると、
- 歯根膿瘍(膿がたまる)
- くしゃみや鼻水(特に上顎の奥歯が折れた場合)
- 食欲不振や元気消失
など、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
折れたらどうすればいいの?
🏥 すぐに動物病院へ
放っておくと感染や慢性炎症を引き起こすため、早めの診察が重要です。
治療法は以下の通り:
- 神経の処置(抜髄・根管治療)
- 抜歯(状態が悪ければ抜くことが多い)
- 必要に応じて鎮痛剤や抗生物質を使用
▶ 早期に発見・処置すれば、犬や猫の負担を最小限に抑えられます。
予防のポイントは?
✅ 硬すぎるものは与えない!
「目安:人間の爪で押して少しへこむ柔らかさ」であること。
ソフトトイや天然ゴム製の噛むおもちゃなど、適度な硬さのものを選びましょう。
✅ 歯の定期チェックを
- 月1回は口を開けて歯の状態をチェック
- 歯の変色や欠けに早く気づくことが大切
- 年1回以上の動物病院での歯科チェックもおすすめ
✅ ストレス管理も重要
- 噛み癖の原因にストレスがある場合は、運動や遊びの時間を見直す
- 噛んでほしくないものにはカバーをかける
- 留守番が長い場合は、安全な噛むおもちゃを準備する
【まとめ】
✅ 硬すぎるもの(骨・角・家具)は歯折の大きな原因
✅ 歯が折れると強い痛みや感染リスクがある
✅ 早期発見・早期治療が重要!
✅ 予防には「適度な硬さのおもちゃ選び」と「日々の歯のチェック」がカギ!
愛犬・愛猫の歯を守るために、今与えているおもちゃやおやつを一度見直してみましょう。
気になることがあれば、いつでも当院にご相談ください!
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レラ動物病院
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セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
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