犬や猫も虫歯になるの?
〜人とちがう歯のトラブル〜
「うちの子、歯磨きしてないけど虫歯にならないの?」
「犬や猫も人間みたいに虫歯になるんですか?」
そんな疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか?
実は、犬や猫は“虫歯になりにくい”生き物なんです。
今回は、犬や猫における虫歯の有無と、実際に多い歯のトラブルについて解説していきます。
🦷 犬や猫は虫歯になるの?
結論から言うと、犬や猫に「虫歯(う蝕)」はほとんど見られません。
その理由は、人と異なる口腔内環境にあります。
✅ 虫歯になりにくい理由
- 食生活が違う
→ 犬や猫は基本的に糖分の多い食事を摂らないため、虫歯の原因菌(ミュータンス菌)が繁殖しにくいです。 - 唾液の性質がアルカリ性寄り
→ 人間の唾液はやや酸性ですが、犬猫はアルカリ性に近く、虫歯菌が酸を作りにくい環境です。 - 歯の形が違う
→ 犬や猫の歯は尖っており、人のように歯と歯が接する面が少ないため、虫歯菌が溜まりづらい構造です。
😬 それでも稀に起こる「虫歯様病変」
虫歯のような症状が全くないわけではありません。
猫では「吸収病巣(FORL)」という病変が見られることがあります。これは歯が溶けるように崩れていく症状で、虫歯に似ていますが原因は異なります。
◇ 吸収病巣の特徴
- 歯が欠けたり穴があいたように見える
- 強い痛みを伴うことがある
- 原因ははっきりしていないが、免疫や炎症が関与しているとされる
- 抜歯が必要になることが多い
⚠️ 犬猫で多いのは「歯周病」!
虫歯は少ないものの、犬猫で圧倒的に多い歯のトラブルは**「歯周病」です。
これは歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖し、炎症や歯のぐらつきを起こす病気**です。
歯周病の初期サイン
- 口臭が強い
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯石がたまっている
- 食べるのを嫌がる・片側で噛む
- よだれが増える
進行すると歯が抜けたり、あごの骨が溶けることもあります。
さらに、歯周病菌が血液に乗って体内に広がると、心臓・肝臓・腎臓などへの悪影響も報告されています。
🪥 歯磨きは必要?
「虫歯がないなら、歯磨きしなくていいの?」と思われるかもしれませんが、それは誤解です。
歯周病の予防には、日頃のケアがとても重要!
特に、犬や猫の歯石は一度つくと自然には取れません。
歯磨きのポイント
- 毎日が理想、難しければ週2〜3回でも◎
- 最初は口に触れる練習から始める
- 歯磨きシートやペーストも活用
- 歯ブラシに慣れたら、奥歯までしっかり磨く
「歯磨きが難しい」「嫌がってできない」という場合は、デンタルガムや歯磨き効果のあるおやつも補助として使うといいですね。
🏥 動物病院でできること
自宅でのケアが難しい場合は、動物病院での歯科チェックがおすすめです。
動物病院での対応例
- 歯科検診(歯石・歯ぐきの状態をチェック)
- スケーリング(麻酔下での歯石除去)
- 抜歯(重度の歯周病や吸収病巣の場合)
- 歯科用レントゲンでの検査
早期発見・早期治療で、大きなトラブルを防ぐことができます。
✨ まとめ:虫歯よりも「歯周病」に注意!
✅ 犬や猫は虫歯になりにくいが、歯の病気がないわけではない
✅ 特に猫では「吸収病巣」という虫歯に似た病変がある
✅ 最も多いのは「歯周病」で、進行すると全身に悪影響を及ぼすことも
✅ 歯磨きを習慣にし、定期的に歯科チェックを受けることが大切
「うちの子、歯がキレイかな?」と感じたら、ぜひ動物病院でチェックを!
いつまでも健康で楽しく食べられるように、歯のケアを心がけましょう🐾
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レラ動物病院
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