犬猫の膀胱にできものが!エコー検査でわかった癌の可能性とその対処法

犬猫の膀胱にできものが!エコー検査でわかった癌の可能性とその対処法

はじめに

愛犬や愛猫が健康診断で膀胱に異常が見つかると、飼い主としては非常に驚き、心配になるものです。特にエコー検査で膀胱に「できもの」が発見された場合、「これが癌なのでは?」と不安が募ります。膀胱にできものが現れる原因は様々で、癌である可能性もありますが、良性の腫瘍や他の疾患である場合も多いです。この記事では、膀胱にできものが見つかった場合に考えられる原因と、それに対する適切な対応方法について詳しく解説します。


1. 膀胱にできものが見つかった場合のエコー検査とは?

膀胱の異常を発見するために、エコー(超音波)検査は非常に有用な診断手段です。エコー検査は痛みがなく、非侵襲的な方法で膀胱内部を確認できるため、早期に異常を発見することができます。エコーで「できもの」が見つかると、それが腫瘍なのか、膀胱内での別の病変なのかを判別するため、さらなる検査が必要になります。

1.1 エコー検査で見えるもの

エコー検査では、膀胱内に異常な塊や膨らみが見つかることがあります。この「できもの」が良性の腫瘍であることもあれば、悪性の腫瘍(癌)の可能性もあります。また、膀胱内での結石やポリープ、膿瘍などの病変も考えられます。エコー検査はこれらの区別をするための第一歩です。


2. 膀胱にできものが現れる原因

膀胱にできものが現れる原因としては、いくつかの病気が考えられます。以下では代表的な原因について解説します。

2.1 膀胱腫瘍(癌)

膀胱にできものが見つかる最も懸念されるのは「膀胱癌」です。犬や猫にも膀胱癌は発症することがあり、特に中高齢の犬に多く見られます。膀胱癌は進行が早く、早期に発見し治療を開始することが重要です。エコー検査で膀胱に異常な腫瘍が見つかった場合、癌の可能性も考慮されます。

2.2 良性腫瘍

膀胱に現れる腫瘍には、悪性のものだけでなく良性のものもあります。例えば、膀胱ポリープや良性の膀胱腺腫などが考えられます。良性腫瘍は進行が遅く、癌のように早急な対応が必要ではない場合もあります。ただし、サイズが大きくなると膀胱の機能に影響を及ぼし、尿の流れを妨げることもあるため注意が必要です。

2.3 膀胱結石

膀胱に結石ができることもあります。結石がエコーで「できもの」のように見えることがありますが、実際には固い塊です。結石は痛みを引き起こし、尿道を詰まらせることがあるため、適切な治療が必要です。

2.4 膀胱炎や膿瘍

膀胱に感染症が発生した場合、膀胱炎はできることがあります。抗生物質で良くなることがあります。


3. 膀胱にできものが見つかった場合の診断方法

エコー検査で膀胱にできものが確認された場合、診断を確定するためにいくつかの追加検査が必要になります。

3.1 尿検査

尿検査を行うことで、膀胱の状態をより詳しく調べます。尿に血が混じっている場合や、細菌が検出される場合は感染症や膀胱炎の可能性が高まります。また、尿から癌細胞が検出されることもあります。

3.3 内視鏡検査(膀胱鏡)

膀胱の内部を直接観察できる内視鏡検査も有効です。内視鏡を使って膀胱内を観察し、異常のある部分を切除して検査に回すことができます。

3.4 X線やCTスキャン

腫瘍が膀胱以外の部位にも転移していないかを確認するために、X線やCTスキャンが行われることもあります。これにより、癌の広がりをチェックすることができます。


4. 膀胱の腫瘍の治療方法

膀胱にできものが見つかり、それが悪性腫瘍(癌)であると診断された場合、治療方法は以下のような選択肢があります。

4.1 手術

膀胱にできた腫瘍が小さく、転移していない場合は、外科手術で腫瘍を切除することができます。しかし、膀胱の大きさや位置によっては、手術が難しい場合もあります。

4.2 放射線治療

腫瘍が切除できない場合や手術が難しい場合、放射線治療を行うことがあります。放射線治療は腫瘍を縮小させ、症状を緩和するのに有効です。

4.3 化学療法(抗がん剤治療)

膀胱癌の進行を抑えるために抗がん剤を使用することがあります。抗がん剤は、癌細胞をターゲットにして増殖を抑える治療法です。

4.4 対症療法

進行した癌に対しては、痛みを軽減するための対症療法や、尿路の閉塞を防ぐためのカテーテルの挿入などが行われることがあります。


5. まとめ

膀胱に「できもの」が見つかると、癌の可能性が不安に思うかもしれませんが、膀胱腫瘍が必ずしも悪性であるわけではありません。エコー検査で異常が発見された場合は、さらに詳しい検査を行い、正確な診断を受けることが大切です。膀胱の腫瘍が悪性であった場合、早期発見と適切な治療により、愛犬や愛猫の生活の質を改善することができます。
定期的な健康診断と早期の対応が、愛犬や愛猫の健康を守るためには不可欠です。

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