犬や猫が歩きにくそうにしている原因は? ― 膝関節の痛みと震えに要注意
日常の中で、「最近わんちゃん・ねこちゃんが歩きづらそうにしている」「座った状態から立ち上がるのに時間がかかる」「膝が震えているように見える」といった変化に気づくことはありませんか?
これらのサインは、膝関節の痛みや関節疾患の初期症状である可能性があります。本記事では、犬猫の膝関節トラブルについて、よく見られる症状や原因、早期治療の大切さを解説します。
歩きにくそうに見えるときの代表的な症状
膝関節に問題がある犬猫は、次のような仕草を見せることがよくあります。
● 歩行のふらつき・ぎこちない歩き方
痛みをかばうため、片足を浮かせたり、左右どちらかに偏った歩き方になることがあります。
● 膝の震え(振戦)
関節を動かすたびに痛みが生じ、筋肉が緊張して震えてしまうことがあります。
● 立ち上がりやジャンプを嫌がる
特にソファや階段などの段差を避けるようになります。
● 抱っこすると嫌がる
膝に負担がかかって痛みを感じると、抱かれるのを嫌がることもあります。
犬・猫に多い膝関節の疾患とは?
● 膝蓋骨脱臼
小型犬で特に多い疾患で、膝のお皿が内側または外側にずれてしまう状態です。軽度では「時々スキップする程度」ですが、重度になると常に痛みや歩行困難が見られます。
● 前十字靭帯断裂
ジャンプや急な方向転換、加齢による靭帯の弱化で起こりやすい疾患です。急に片足を上げたまま歩けなくなるケースが多く、治療には早急な診断が必要です。
● 関節炎(変形性関節症)
シニア期の犬猫で増える慢性的な関節疾患で、軟骨がすり減ることで痛みや炎症が起こります。天候や気温によって痛みが強くなることもあります。
早期受診が大切な理由
膝関節の疾患は、初期であれば保存療法(痛み止め、サプリメント、体重管理)で進行を遅らせることができます。しかし、重度に進行すると外科的手術が必要になる場合もあります。
特に膝の痛みを放置すると、反対側の脚に負担がかかり、さらに別の関節疾患を引き起こすケースも少なくありません。
「少し歩きづらそう」「片足を上げることが増えた」など、ちょっとした違和感でも早めに動物病院にご相談ください。
ご家庭でできる予防・ケア
- 体重管理を徹底する(体重増加は関節への負担大)
- フローリングに滑り止めを敷く
- 段差を避けた生活環境を整える
- 適度な運動で筋力を維持する
これらの工夫は、膝への負担を軽減し、関節疾患の予防にも役立ちます。
まとめ
犬や猫が歩きにくそうにしていたり、膝が震えている場合、膝関節の痛みが隠れている可能性があります。普段の生活の中で「いつもと違う動き」に気づいたら、早めに診察を受けることが大切です。
大切なご家族がいつまでも元気に歩けるように、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
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レラ動物病院
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