犬と猫と冬の北海道を楽しく過ごしましょう

① 北海道の冬、愛犬の散歩で気をつけたいこと

こんにちは。レラ動物病院札幌の獣医師、佐々本です。
北海道の冬は長く厳しいものです。雪や氷の上での散歩は、犬にとっても体に負担がかかる季節。今回は、冬の札幌で安全に散歩を楽しむためのポイントをご紹介します。

まず注意したいのは滑りやすい路面です。氷の上では犬も人間と同じように転倒し、足を痛めたり、関節を捻ったりすることがあります。特に小型犬やシニア犬は関節が弱く、思わぬ怪我につながることも。滑り止め付きの靴や、グリップ性の高いリードを使うと安心です。

また、寒さによる体調不良にも注意が必要です。犬種によって寒さへの耐性は異なり、短毛種や老犬では体温を保ちにくくなります。散歩の時間を短くし、防寒ウェアを着せることも有効です。

さらに、**道路に撒かれた融雪剤(塩化カルシウム)**は皮膚や肉球に刺激を与えることがあります。帰宅後はぬるま湯で足を洗い、乾燥を防ぐために保湿クリームを塗ると良いでしょう。

北海道の冬でも、適切な準備をすれば散歩は十分に楽しめます。愛犬の体調や年齢に合わせた工夫をしながら、安全で快適な時間を過ごしましょう。


② 雪道での転倒・骨折リスクとその予防

札幌の冬は美しい反面、雪や氷による滑り事故が多く発生します。実は、犬や猫でもこの季節に「骨折」で来院するケースが増加します。

特に多いのが、散歩中の転倒や階段での滑落です。雪の下に隠れた段差や氷の上で足を取られ、骨折や捻挫を起こすことがあります。
小型犬は骨が細く、わずかな衝撃でも骨折につながることがあるため、抱っこやスリングを活用するのも良い方法です。

また、室内でも注意が必要です。冷たい外から帰った後、床暖房などで急激に体を温めると、筋肉や関節に負担がかかります。滑りやすいフローリングにはマットを敷き、転倒を防止しましょう。

骨折を疑うサインとしては、「足をつかない」「鳴く」「腫れている」などがあります。少しでも異変を感じたら、無理に歩かせず、早めに動物病院で検査を受けてください。

北海道の厳しい冬こそ、安全対策をしっかりと整え、ペットの足腰を守ってあげましょう。


③ 年末年始のごちそうに注意!ペットの誤飲・誤食トラブル

年末年始は家族が集まり、食卓も豪華になります。そんな楽しい時期に注意したいのが、犬や猫の誤飲・誤食です。札幌でもこの時期、急患として来院される方が増えます。

特に危険なのは、骨付き肉・チョコレート・玉ねぎ・ブドウ・アルコールです。骨は消化されずに腸を傷つける恐れがあり、玉ねぎやブドウは中毒を起こします。
また、串やラップ、輪ゴムなどを誤って飲み込むケースもあります。これらは消化管に詰まり、緊急手術が必要になることもあります。

食卓のそばにペットを近づけない、食べ残しをすぐに片付けるなど、家庭での工夫が予防につながります。
「少しだけだから大丈夫」という油断が、命に関わる事故になることも。

もし誤飲の可能性がある場合は、すぐに動物病院に連絡をし、自己判断で吐かせたりせずに指示を仰いでください。
年末年始の忙しい時期こそ、ペットの安全にも目を向けてあげましょう。


④ 冬の乾燥が引き起こす皮膚トラブル

北海道の冬は空気が非常に乾燥しています。暖房を長時間使用することで、さらに湿度が下がり、犬や猫の皮膚にも負担がかかります。

乾燥による「フケ」「かゆみ」「赤み」「脱毛」などの症状は、冬によく見られる皮膚トラブルです。特にアトピー体質の動物では、乾燥によって症状が悪化することがあります。

対策としては、加湿器で室内の湿度を40〜60%に保つこと、そして保湿効果のあるシャンプーやスプレーの使用が効果的です。
また、冬場はシャンプーの頻度を減らし、皮脂のバリアを守ることも大切です。

皮膚を掻く、舐める、フケが増えるなどの変化を感じたら、早めに診察を受けましょう。
小さなサインを見逃さず、冬の間も快適な皮膚環境を保ってあげることが大切です。


⑤ 冬に増える尿路トラブルと水分摂取の工夫

冬になると、犬や猫が水を飲む量が減り、尿路結石や膀胱炎などのトラブルが増加します。札幌の寒い季節では特に注意が必要です。

気温が低いと飲水量が減り、尿が濃くなることで結晶や結石ができやすくなります。猫ではトイレの回数が減ることもあり、膀胱内に尿が溜まりすぎることがあります。

対策としては、常に新鮮な水を用意することウェットフードを活用することぬるま湯を与えることが有効です。
また、トイレの位置を暖かい場所に設置することで、行動を促すこともできます。

排尿の回数が少ない、血尿が出る、排尿時に鳴くなどのサインが見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
冬の寒さが原因で命に関わる病気になることもあります。日頃の観察とこまめな水分補給を心がけましょう。

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