犬の関節炎:愛犬の歩き方に変化を感じたら
近年、室内飼育の犬が増え、寿命も延びたことから、シニア期にさしかかる犬で関節炎を発症するケースが増えています。関節炎とは、関節の軟骨や周囲組織に炎症が起こることで、痛みや腫れ、可動域の制限が生じる疾患です。特に中高齢の大型犬に多く見られますが、小型犬でも発症することがあります。今回は、当院で実際に診察した犬の症例を交えながら、関節炎の症状や治療法についてご紹介します。
症例紹介:12歳のラブラドール、歩き方の変化
今回ご紹介するのは、12歳のラブラドール・レトリバーの「ポチ」くんです。飼い主さんからは「最近、散歩中に突然立ち止まることが増えた」「階段を嫌がるようになった」という相談を受けました。ポチくんは元気で食欲もありましたが、動作に少しぎこちなさが見られました。
診察では、後ろ足の関節の腫れと熱感、歩行時の左右差が確認されました。レントゲン検査では、膝関節や股関節の軟骨の摩耗、関節周囲の骨棘(こつきょく:骨のとげ状の変形)が見られ、関節炎と診断しました。
関節炎の主な症状
犬の関節炎は進行がゆっくりで、飼い主さんが気づきにくいことがあります。典型的な症状には以下があります。
- 歩き方の変化:散歩中に座り込む、ジャンプを嫌がる、階段を避ける
- 動きの硬さ:朝の起床時や長時間寝た後に動きがぎこちない
- 関節の腫れや熱感:関節部を触ると熱を持っていたり、腫れている
- 行動の変化:痛みで遊ぶのを嫌がる、触られるのを嫌がる
早期発見が、犬の生活の質を維持する上で非常に重要です。
治療のアプローチ
関節炎の治療は、生活環境の工夫・薬物療法・サプリメント・物理療法を組み合わせることが基本です。
生活環境の工夫
- 滑りにくい床材にする
- 高い段差を避ける
- 適度な運動を継続する
薬物療法
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を用いることで、痛みと炎症を軽減できます。ポチくんの場合もNSAIDsによる投薬で歩行が改善しました。
サプリメント
グルコサミンやコンドロイチンなどの軟骨保護成分は、関節の健康維持に役立ちます。長期的なケアとして、食事と併用することが推奨されます。
物理療法
レーザー治療や温熱療法、軽いリハビリ運動も、関節の可動域維持と痛み軽減に有効です。
飼い主さんに伝えたいこと
関節炎は完治が難しい慢性疾患ですが、早期発見と継続的なケアで犬の生活の質を大きく改善できます。少しの歩き方の変化や行動の変化も見逃さず、気になる場合は動物病院での早期診察をおすすめします。
ポチくんも、投薬と生活環境の工夫を続けることで、再び散歩や遊びを楽しめるようになりました。飼い主さんとの連携が、関節炎と上手に付き合う鍵となります。
まとめ
- 犬の関節炎は中高齢犬に多い慢性疾患
- 早期発見が犬の生活の質を維持するカギ
- 薬物療法・サプリメント・生活環境の工夫・物理療法を組み合わせた治療が効果的
愛犬の小さな変化に気づくことが、元気な毎日を守る第一歩です。少しでも気になる場合は、ぜひ動物病院でご相談ください。
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レラ動物病院
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