冬の注意!氷で滑った犬の骨折症例
寒さが厳しい冬の季節、私たち飼い主は愛犬や愛猫の寒さ対策に気を配りますが、意外と見落としがちな危険があります。それは「滑ることによるケガ」です。今回ご紹介するのは、氷の上で滑って骨折してしまった犬の症例です。
来院時の状況
今回来院したのは、5歳の柴犬「コタロウ」くんです。飼い主様によると、散歩中に氷が張った道で滑り、その後突然右前脚をかばうようになったとのことでした。歩行時には足を床につけられず、強い痛みがある様子でした。
来院時の診察では、右前肢の肘関節付近に腫れと熱感が認められました。触診すると明らかに痛みを感じ、骨折の可能性が高いと判断しました。
診断のための検査
骨折の確認のため、レントゲン検査を実施しました。その結果、右前肢の橈骨と尺骨の近位部分に明確な骨折が認められました。幸い、骨片のずれは比較的少なく、神経や血管への大きな損傷はありませんでした。
診断は「右前肢橈尺骨骨折」となりました。犬の場合、前肢の骨折は歩行に大きく影響するため、早急な処置が必要です。
治療方針と手術
今回は骨片のずれが少なかったため、整復手術(プレート固定)を行うことに決定しました。手術では、骨片を正しい位置に戻し、チタンプレートとスクリューで固定しました。手術後は、痛みの管理と感染予防のため抗生物質と鎮痛剤を投与しました。
術後の経過観察では、腫れや痛みが徐々に軽減し、歩行も少しずつ安定してきました。骨の癒合には約6〜8週間を要するため、その間は安静が最も重要です。
家庭でのケアと注意点
退院後、飼い主様には以下の注意点をお伝えしました。
- 安静の徹底
室内での自由な運動は禁止。ケージ内や小スペースでの生活を推奨。 - 定期的な通院
骨の癒合状態を確認するため、2〜3週間ごとのレントゲン検査が必要。 - 散歩時の注意
氷や滑りやすい路面では散歩を避けるか、滑り止め付きの靴やハーネスで補助する。 - 食事と体重管理
運動量が制限されるため、体重増加を防ぐための食事管理も重要。
冬の散歩で気をつけたいポイント
今回のケースから分かるように、冬場の散歩は思わぬ事故につながることがあります。特に以下の点に注意してください。
- 氷の上は滑りやすく、犬が踏ん張れず転倒しやすい
- 雪や氷で足を痛める可能性がある
- 高齢犬や関節疾患のある犬は特に骨折リスクが高い
滑り止めマットや靴、短時間の散歩、室内での運動など工夫することでリスクは大きく減らせます。
まとめ
氷で滑っただけでも、犬は骨折などの大きなケガをすることがあります。今回のコタロウくんの症例では、迅速な診断と適切な手術により、回復への道筋がつきました。
冬の寒さだけでなく、凍結した道や滑りやすい路面も愛犬の安全のために十分注意することが大切です。皆さんの大切な家族を守るため、散歩コースや時間、足元の安全確認を怠らないようにしましょう。
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