猫の真菌症(皮膚糸状菌症)症例報告
こんにちは。今回は当院で実際に診療した猫の真菌症(皮膚糸状菌症)の症例についてご紹介します。猫の皮膚病の中でも比較的よく見られる疾患ですが、早期発見・早期治療が重要です。
症例の概要
患者は3歳の雑種猫、オス。室内飼育ですが、飼い主さんが時々屋外に出すことがあるとのこと。数週間前から顔周りや耳、前肢に脱毛やフケが見られるようになり、徐々に広がってきたため来院されました。猫自身は元気で食欲もありましたが、皮膚症状が目立ちました。
初診時の所見
診察では、以下の特徴が認められました。
- 円形~不規則形の脱毛斑(特に顔、耳、前肢)
- 皮膚の赤みとフケ
- 毛の折れやすさ、触れるとざらつき感
- 痒みは軽度
これらの症状は典型的な皮膚真菌症の所見です。特に若い猫や免疫力の低下した猫に多く見られます。
診断のための検査
真菌症の診断には以下の検査を行いました。
- ウッド灯検査
一部の真菌は紫外線を当てると蛍光を発します。今回の症例では一部の毛に緑色の蛍光が確認されました。 - 毛の顕微鏡検査(直接鏡検)
毛を剥がして顕微鏡で観察すると、菌糸や胞子が確認されました。 - 培養検査
正確な菌種を同定するために培養検査も行いました。結果は数日後に判明しましたが、典型的な「マラセチア属」または「ミコスポリウム属」の感染が疑われます。
これらの結果から、皮膚糸状菌症(真菌症)と診断しました。
治療経過
治療は局所療法と内服療法の両方を行いました。
- 局所療法
抗真菌シャンプーを週2回実施。患部を中心に優しく洗浄しました。 - 内服療法
抗真菌薬(例:イトラコナゾール)を体重に応じて2週間処方。
治療開始後1週間で、赤みやフケの減少、毛の再生が見られました。4週間目には脱毛斑のほとんどが改善し、痒みもなくなりました。培養結果でも真菌の減少が確認され、治療を継続して6週間目には完治となりました。
飼い主さんへのアドバイス
- 真菌症は他の猫や人にも感染する可能性があります。特に免疫力が低い子や子どもは注意が必要です。
- 感染猫を隔離し、環境を消毒することが再感染予防につながります。
- 治療期間中はシャンプーや投薬をしっかり継続することが重要です。
まとめ
今回の症例は、比較的若い室内飼育猫で発症した皮膚真菌症でした。早期発見・適切な治療により、短期間で改善が見られました。
猫の皮膚に脱毛やフケ、赤みなどの異常を見つけた場合は、放置せずに早めに動物病院で診察を受けることが大切です。真菌症は治療すれば完治しますが、自己判断で治療を中止すると再発のリスクが高まります。
当院では、診断から治療、飼い主さんへのアドバイスまで丁寧にサポートしています。猫の皮膚の異常に気づいたら、ぜひご相談ください。
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レラ動物病院
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