猫にもお腹の風邪ってあるの?~症例から学ぶ胃腸トラブル~

猫にもお腹の風邪ってあるの?~症例から学ぶ胃腸トラブル~

こんにちは。〇〇動物病院です。
「猫にもお腹の風邪ってあるの?」という質問をよくいただきます。人間でいう“お腹の風邪”は、医学的には急性胃腸炎のことを指します。猫もウイルスや細菌、食事の影響で同じような症状を起こすことがあります。今回は、実際の症例をもとに猫の胃腸トラブルの症状や対応についてご紹介します。


1. 症例紹介:2歳のスコティッシュフォールド「モモちゃん」

今回ご紹介するのは、2歳のスコティッシュフォールド、モモちゃんです。飼い主様が「昨日からごはんを食べない上に、何度か吐いている」と来院されました。

診察の結果、体温はやや高めで、軽い脱水症状が見られました。触診ではお腹が少し張っており、緊張がありました。便の状態も確認すると、軟便や下痢気味でした。これらは典型的な猫の胃腸炎の症状です。


2. 猫のお腹の風邪とは?

猫のお腹の風邪は、正式には「猫の急性胃腸炎」と呼ばれます。原因はさまざまですが、主に以下の要因があります。

  • ウイルス感染:猫カリシウイルスや猫コロナウイルスなど
  • 細菌感染:サルモネラや大腸菌など
  • 寄生虫感染:回虫やコクシジウム
  • 食事の影響:急なフード変更や腐ったものを食べた場合
  • ストレス:環境の変化や多頭飼育による精神的ストレス

多くの場合は軽度で自然に回復しますが、症状が重い場合や長引く場合は脱水や二次感染のリスクがあるため注意が必要です。


3. 主な症状

猫のお腹の風邪で見られる症状は次の通りです。

  • 嘔吐:胃腸が敏感になっているサイン。食後すぐ吐くこともあります。
  • 下痢・軟便:腸の働きが乱れて、水分が吸収されにくくなります。
  • 食欲不振:体調不良で食べたくなくなることが多いです。
  • 元気消失:ぐったりして動かなくなることがあります。
  • 脱水症状:口の乾きや皮膚の弾力低下が見られます。

モモちゃんの場合は、嘔吐・軟便・食欲不振・軽度の元気消失があり、典型的な症例でした。


4. 診察と検査

猫のお腹の風邪は、症状だけでは他の病気との区別がつきにくいことがあります。そのため、獣医師は次のような検査を行うことがあります。

  • 身体検査:体温、脈拍、脱水の有無を確認
  • 血液検査:感染や内臓の異常の有無を確認
  • 便検査:寄生虫や細菌の有無を確認
  • 画像検査(必要に応じて):腹部エコーやX線で腸や胃の状態を確認

モモちゃんは血液検査や便検査で重篤な感染はなく、軽度の脱水と胃腸炎が確認されました。


5. 治療と自宅ケア

猫のお腹の風邪は、ほとんどの場合は自宅でのサポートで改善します。ただし、脱水が強い場合や症状が重い場合は入院で点滴治療が必要です。

治療のポイント

  1. 絶食・水分補給
     嘔吐が続く場合は、まず8~12時間ほど絶食させ、少量ずつ水や電解質補給液を与えます。
  2. 消化に優しいフード
     回復期には、消化しやすいフードや療法食を少量ずつ与えます。
  3. 薬の投与
     必要に応じて、吐き気止めや整腸剤、抗生物質などを使用します。
  4. 清潔管理
     下痢や嘔吐がある場合は、トイレや周囲を清潔に保ち、感染拡大を防ぎます。

モモちゃんは少量の水分補給と消化に優しいフードで様子を見たところ、2日後には嘔吐も止まり、下痢も改善。元気も戻り、無事に回復しました。


6. 予防のポイント

猫のお腹の風邪は、完全に予防することは難しいですが、次のような習慣でリスクを減らせます。

  • 急なフード変更は避ける
  • 腐った食べ物や人間の食べ物を与えない
  • ストレスを減らす環境作り
  • ワクチン接種で一部ウイルス感染を予防

7. まとめ

猫も人間と同じように“お腹の風邪”にかかることがあります。症状は嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失などです。軽度の場合は自宅でのケアで回復しますが、長引く場合や脱水症状がある場合は、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。

モモちゃんの症例のように、適切な観察とケアで猫の胃腸トラブルは改善します。日頃から愛猫の食欲や排泄の変化に注意し、少しでも気になる症状があれば早めに相談してください。

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