犬や猫でも歯は抜けるの?それって自然?病気?
「最近、うちのワンちゃんの歯が抜けたみたい…」「キャットタワーの下に小さな歯が落ちていてビックリ!」――そんな経験はありませんか?
人間と同じように、犬や猫も歯が抜けることがあります。でも、それが正常なものか、それとも病気のサインなのかを見分けることはとても大切です。
今回は、犬猫の歯が抜ける理由や、注意すべきサイン、対処法について解説します。
まずは知っておこう!犬と猫の歯の基礎知識
歯の本数と役割
- 犬:乳歯28本 → 成犬になると42本(切歯・犬歯・前臼歯・後臼歯)
- 猫:乳歯26本 → 成猫になると30本
犬や猫も、人間と同じように**「乳歯」と「永久歯」の2段階**で歯が生え変わります。
子犬・子猫の歯が抜けるのは“正常”
生後4〜7か月ごろ、子犬や子猫は乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期です。
- ガジガジと何かを噛みたがる
- 歯が落ちている
- 歯ぐきが赤く腫れて見えることも
これは完全に自然な生理現象なので、心配はいりません。
ただし、「乳歯が抜けずに永久歯が生えてきた(乳歯遺残)」場合は、歯並びの異常や歯石の蓄積につながるため、動物病院での相談をおすすめします。
成犬・成猫で歯が抜けるのは要注意!
一方、**大人の犬や猫で歯が抜けるのは“異常”**です。
原因の多くは「歯周病」
犬や猫の成犬期・成猫期に歯が抜ける最大の原因は、**歯周病(ししゅうびょう)**です。
- 歯石や歯垢の蓄積
- 歯ぐきの炎症(歯肉炎)
- 歯を支える骨(歯槽骨)が溶ける
- 最終的に歯がグラグラ → 抜け落ちる
特に小型犬や猫は歯石が付きやすく、3歳以上の犬猫の約80%が何らかの歯周病にかかっているとも言われています。
歯が抜ける前に見られる“サイン”とは?
以下のような症状が見られる場合は、口腔内のトラブルが進行している可能性があります。
- 口臭が強くなった
- よだれが増えた
- 食べるのに時間がかかる、片側でしか噛まない
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯がグラついている
- 触ろうとすると嫌がる
これらの症状はすべて、歯周病や口内炎、外傷などの可能性を示すサインです。
歯が抜けた後、どうすればいい?
すでに歯が抜けてしまった場合、以下の点を確認しましょう。
- 歯ぐきの状態(出血・腫れ)がないか確認
- 他にもグラグラしている歯がないか観察
- すぐに動物病院で診察を受ける
抜けた歯を保存して、動物病院に持参すると診断に役立つこともあります。清潔なガーゼなどに包んでお持ちください。
抜けた歯は再生しない!だからこそ予防が大切
犬猫の**永久歯は一生に一度きり。**抜けた後にまた生えてくることはありません。
だからこそ、歯を守る“予防ケア”がとても大切です。
自宅でできるお口ケア
- 毎日の歯みがき(難しい場合は週に数回から)
- 歯みがきガムやデンタルおもちゃの活用
- デンタルフードやサプリメント
- 定期的な動物病院での歯科チェック・歯石除去
特に歯みがきは、子犬・子猫のうちから習慣づけると成長してからもスムーズです。
まとめ:歯が抜けたら迷わず相談を!
- 子犬・子猫なら生え変わりでOK
- 成犬・成猫なら、歯周病などの病気のサインかもしれません
たとえ1本でも歯が抜けるのは、お口全体の健康に問題が起きている証拠です。
痛みや違和感を感じていても、犬や猫はそれを言葉にできません。気づいてあげられるのは飼い主さんだけです。
「ちょっと様子が変だな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
大切な歯を1本でも多く残してあげることが、長生きにもつながります。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レラ動物病院
〒001-0907
北海道札幌市北区新琴似7条9丁目5−8
011-769-2500
セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-