はじめて猫を飼う方へ:口腔ケアと口臭の原因、相談先はどこ?
猫を家族に迎えたばかりの飼い主さんへ。健康管理のひとつとして、実は「お口のケア」もとても大切なのをご存じですか?「最近ちょっと口が臭う気がする」「猫の歯磨きってどうすればいいの?」そんな不安を感じたとき、どこに相談すればいいかも含めて、獣医師の視点からわかりやすく解説します。
なぜ猫の口腔ケアが大事なの?
猫は言葉で不調を訴えることができないため、口内トラブルは気づきにくく、進行しやすいという特徴があります。
⬛ 放っておくとこんなリスクも…
- 歯周病:3歳以上の猫の8割以上が歯周病とも言われています。
- 口内炎・抜歯:進行すると痛みで食事ができず、抜歯が必要になることも。
- 全身疾患の原因にも:口腔内の菌が血流に乗り、腎臓病などを引き起こすこともあります。
猫の健康寿命を延ばすためにも、日々の口腔ケアと早めのチェックが欠かせません。
猫の口臭、もしかして異常のサインかも?
「ちょっとお口がにおうかも…?」と感じたとき、それは単なる食べ物のにおいではなく、歯石や歯周病のサインである可能性があります。
⬛ よくある口臭の原因
- 歯垢・歯石の蓄積
- 歯肉炎・歯周炎
- 口内炎や潰瘍
- 食べ物の残りカスが歯に詰まっている
- 腎臓病や糖尿病といった内臓疾患
においの原因はさまざまなので、自己判断せず、まずは動物病院で診てもらうことをおすすめします。
猫に歯磨きってできるの?始め方のコツ
初めての飼い主さんにとって、「猫の歯磨き」と聞くと難しそうに思えるかもしれません。ですが、子猫の頃から慣らしておくことで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
⬛ 歯磨きのステップ
- 口元に触ることから慣れさせる
- 指で優しく口のまわりを撫でる
- ごほうびを与えて「楽しいこと」と認識させる
- 歯磨きシートやガーゼから始める
- 指に巻いて、前歯→奥歯と優しく拭く
- 少しずつ慣れさせ、無理はしない
- 最終的には歯ブラシへ
- ヘッドが小さい猫用ブラシを使う
- 毎日でなくても「週2〜3回」を目標に!
猫によっては全く歯磨きができない子もいますが、歯磨きガムや口腔用サプリ、スプレーなどの代替ケアもあるので、獣医師と相談して方法を選びましょう。
どこに相談すればいい?動物病院は強い味方
口臭や歯の状態に不安を感じたら、まずは動物病院へ相談するのが一番確実です。
⬛ 動物病院でできること
- お口の中の健康チェック
- 歯石の状態確認、必要に応じてスケーリング(歯石除去)
- 歯磨きトレーニングやケアグッズの提案
- 内臓疾患の可能性がある場合の血液検査など
当院でも「猫の口が臭う」「歯磨きができない」といった相談を数多く受けており、それぞれの猫に合わせたケア方法を一緒に考えています。
まとめ:猫の健康はお口から。早めのケアで安心を
猫の口臭や口腔トラブルは、見過ごされがちだけど実は深刻な問題です。はじめて猫を飼う方こそ、「におう?」「嫌がる?」など、ちょっとした違和感を見逃さず、まずは動物病院に相談してみてください。
お口の中の状態を知ることで、より良いケアができ、猫ちゃんの健康寿命を延ばすことにもつながります。
レラ動物病院では歯科の専門外来もありますのでお気軽にご相談ください。
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