猫の口臭が気になるときは要注意!内臓疾患が隠れていることも
猫の口臭に気づいたとき、「ちょっと臭うだけだし、きっと歯の汚れかな」と軽く考えていませんか?実は、猫の口臭には重大な病気が隠れている場合があります。特に内臓疾患が関係しているケースもあるため、飼い主さんの早めの気づきがとても重要です。今回は、猫の口臭の主な原因や、疑われる内臓疾患について詳しくご紹介します。
猫の口臭の主な原因とは?
猫の口臭の原因はさまざまですが、大きく分けて次の3つに分類されます。
1. 歯や口腔内のトラブル
もっとも一般的なのが、歯周病や歯石、口内炎などの口腔内疾患です。特に歯周病は、3歳以上の猫の約80%が罹患しているとも言われ、歯垢がたまって歯茎が炎症を起こすことで、強い口臭が生じます。口内炎の場合は、ヨダレや食欲低下なども併発することが多いです。
2. 食事や生活習慣によるもの
ドライフードに比べてウェットフードは歯に残りやすく、歯石の原因となることがあります。また、魚や肉中心の食事も一時的に口臭の原因になることがあります。口の中を清潔に保つことができない高齢猫では、日常的なケアが重要です。
3. 内臓疾患による口臭
口の中に明らかな異常が見られない場合、内臓のトラブルが原因となっている可能性があります。中でも注意したいのが、腎臓や肝臓、糖尿病といった疾患です。
内臓疾患と猫の口臭の関係
腎臓病
猫に非常に多い病気のひとつが「慢性腎不全」です。腎臓が正常に機能しなくなると、体内の老廃物を十分に排出できなくなり、その結果、アンモニア臭に似た口臭が出るようになります。これは「尿毒症」と呼ばれる状態で、放置すると命に関わることもあります。水をたくさん飲む、尿量が増える、体重減少といった症状にも注意が必要です。
肝疾患
肝臓の機能が低下すると、代謝のバランスが崩れ、血中に毒素がたまりやすくなります。これにより甘酸っぱいような異臭のある口臭が出ることがあります。黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)や元気消失などの症状を伴う場合もあります。
糖尿病
糖尿病になると、体がエネルギー不足の状態になり、脂肪を分解してエネルギーを補おうとします。その結果、「ケトン体」という物質が発生し、**アセトン臭(甘酸っぱい、果物のような匂い)**が口から出てくることがあります。急激な体重減少や水を大量に飲むといった変化があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
こんな口臭はすぐに受診を!
以下のような口臭や症状が見られたら、すぐに動物病院で検査を受けることをおすすめします。
- アンモニア臭、甘酸っぱい匂いなど、通常とは異なる強い口臭
- 食欲不振や嘔吐、体重減少、元気がない
- 多飲多尿、黄疸、口の中の出血や潰瘍
- 明らかに口腔内に問題がなさそうな場合
まとめ:口臭は体からのサイン。見逃さないで!
猫の口臭は、単なる口の中のトラブルだけでなく、内臓の疾患を知らせる重要なサインである場合があります。早期発見・早期治療が猫の健康寿命を延ばすカギとなります。「ちょっと臭うかな?」と思ったときこそ、ぜひ一度、動物病院での健康チェックをおすすめします
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