冬の乾燥対策とペットの健康管理について
こんにちは。レラ動物病院札幌の獣医師佐々本です。
気温が下がり、空気が乾燥してくると、人と同じように動物たちの体にもさまざまな影響が現れます。
今回は、冬に注意していただきたい「乾燥対策」についてお話しします。
■ 乾燥がもたらす影響
冬場は暖房の使用により室内の湿度が大きく下がります。人間が「肌がカサつく」「喉がイガイガする」と感じるように、犬や猫たちも皮膚や粘膜が乾燥してトラブルを起こしやすくなります。
特に、皮膚がもともと弱い子や、アレルギー体質の子では、乾燥によってかゆみが強くなり、掻き壊してしまうケースも少なくありません。
また、乾燥は呼吸器にも影響を与えます。空気が乾いていると、鼻や喉の粘膜が傷つき、ウイルスや細菌が入りやすくなります。その結果、咳やくしゃみ、鼻水といった症状が見られることがあります。
■ 室内の湿度管理
まずは環境から見直しましょう。
室内の適正湿度は 40〜60% とされています。湿度が低い場合は、加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして調整すると良いでしょう。
ただし、加湿器の使用時にはカビの繁殖や、ペットが直接触れないような設置場所にも注意が必要です。
また、エアコンやヒーターの温風が直接ペットに当たらないようにすることも大切です。特に猫は日向や暖房の前で長時間過ごすことが多いため、皮膚の乾燥や脱水に気をつけてあげましょう。
■ 皮膚と被毛のケア
冬場はシャンプーの頻度を控えめにし、皮膚の油分を守ることがポイントです。必要以上に洗いすぎると、かゆみやフケの原因になります。どうしても汚れが気になる場合は、低刺激性のシャンプーや保湿タイプを選びましょう。
ブラッシングも効果的です。毛のもつれを防ぐだけでなく、皮膚の血行を促進し、自然な皮脂を全体に行き渡らせることができます。乾燥によって静電気が発生しやすい時期なので、軽く湿らせたブラシを使うのもおすすめです。
■ 水分補給の工夫
冬は水を飲む量が減りがちですが、体の内側からの保湿も欠かせません。
ぬるめのお湯を与えたり、ウェットフードを取り入れたりすることで、自然に水分摂取量を増やすことができます。特に猫は水をあまり飲まない動物なので、こうした工夫が腎臓病予防にもつながります。
■ 最後に
乾燥は見えにくいトラブルの原因です。日頃から皮膚や被毛の状態を観察し、少しでも「かゆそう」「フケが多い」「咳が出る」と感じたら、早めに動物病院へご相談ください。
小さな変化を見逃さず、冬を快適に過ごせるようサポートしていきましょう。
動物たちの健康を守るための情報を、今後もブログで発信していきます。
この記事が皆さまの大切な家族の健康維持に少しでもお役に立てれば幸いです。
今後も動物医療の現場から、信頼できる情報を発信してまいります。
(監修:レラ動物病院札幌 獣医師 佐々本)
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