歯と体のつながり ~お口の健康が守る全身の健康~

歯と体のつながり ~お口の健康が守る全身の健康~

ペットの健康管理で意外と見落とされがちなのが「お口のケア」。
でも、実は歯や歯ぐきの状態は、体全体の健康に深く関係しているんです。
今回は、歯と体のつながりについて詳しくお伝えします!


お口の健康は全身の健康のバロメーター

お口は「食べる」ための入り口であると同時に、
体の中に外部から異物や細菌が入り込む「最初の関門」でもあります。

  • 歯周病
  • 口内炎
  • 歯の欠損

これらを放置すると、口の中だけでなく、
体全体に悪影響を及ぼす可能性が高まるのです。


歯周病がもたらす全身への影響

血流に乗る歯周病菌

歯周病が進行すると、歯ぐきから血管に細菌が侵入し、
血流に乗って全身を巡ります。これを「菌血症」といいます。

一時的な菌血症で終わればいいのですが、慢性的に続くと、
さまざまな臓器に悪影響を及ぼします。


歯と心臓の関係

歯周病菌が心臓にたどり着くと、
心臓弁に炎症を起こす「細菌性心内膜炎」を引き起こすことがあります。

これにより、

  • 心臓のポンプ機能低下
  • 不整脈
  • 心不全

といった重い症状を招くこともあるため注意が必要です。


歯と肝臓の関係

肝臓は体内の毒素を処理する重要な臓器。
血流に乗った歯周病菌やその毒素が肝臓に届くと、
慢性的な炎症や肝機能障害を引き起こすことがわかっています。

特に高齢の犬猫では、
「歯周病の治療と肝臓数値の改善が連動している」ケースも少なくありません。


歯と腎臓の関係

慢性の歯周病が続くと、
腎臓のフィルター機能にもダメージを与える可能性があります。

  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 尿毒症

などを引き起こすリスクがあり、
一度腎臓がダメージを受けると回復が難しいため、早めの対応が大切です。


免疫力への影響

慢性的な炎症が体にあると、免疫システムが常に活動状態になります。
これにより免疫力が疲弊し、

  • 感染症にかかりやすい
  • 腫瘍(がん)リスクが上がる
    といった問題も出てきます。

つまり、お口の健康管理は感染症予防やがん予防にもつながるのです。


お口のケアをしないとどうなる?

次のような症状が出ることもあります。

  • 口臭が強くなる
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減る
  • よだれが増える
  • 顔が腫れる
  • 発熱する

これらは、歯や歯ぐきだけでなく、体のどこかに問題が起きているサインかもしれません。


毎日のケアが体を守る!

歯みがき習慣をつけよう

一番大切なのは毎日の歯みがきです。
最初は嫌がる子も多いですが、焦らずゆっくり慣らしていきましょう。

歯みがきに加え、デンタルガムや歯科用フードを上手に活用するのもおすすめです。

定期的な歯科チェックを!

年に1〜2回は動物病院で歯科チェックを受けましょう。
歯石がたまっている場合は、**全身麻酔下での歯石除去(スケーリング)**が必要になります。

これにより、目に見えないリスクを早期に発見し、対処することができます。


まとめ ~お口から全身を守ろう~

歯やお口の健康は、
「ごはんを美味しく食べる」
「元気に毎日を過ごす」
ためにとても大切です。

そしてそれだけでなく、
心臓・肝臓・腎臓・免疫力など、体のすべてに影響していることを忘れないでください。

おうちでのケア+動物病院でのチェックで、
大切な家族の健康を守っていきましょうね🐾✨

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レラ動物病院
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