目の下が腫れている!?それ、破裂する前に治療を!
「なんだか片方の目の下がぷっくりしている…」
「触ると嫌がるけど、ごはんは食べてるし様子見でいいかな?」
そんなとき、実はその腫れの正体が“歯の根っこの病気”だったということがよくあります。
そして、放っておくと皮膚が破裂し、膿が出てくるという事態に進行することも…。
今回は、動物の「目の下の腫れ」に隠れている病気と、放置のリスクについてご紹介します。
目の下が腫れる原因は?
ワンちゃんやネコちゃんの「目の下の腫れ」は、**歯の根っこ(歯根)に膿がたまる“歯根膿瘍(しこんのうよう)”**であることが多いです。
とくに多いのは、上顎の第四前臼歯(奥歯)に問題がある場合。
この歯の根っこは、ちょうど目の下あたりに位置しているため、炎症が起こるとその部分が腫れてくるのです。
歯根膿瘍ってなに?
「歯根膿瘍」とは、歯の根っこに膿がたまっている状態です。
原因は以下のようなものがあります:
- 歯が欠けた・割れた
- 歯周病が進行している
- 虫歯のように、歯の中に細菌が入り込んだ
歯の内部に細菌が侵入すると、炎症を起こし、膿がたまり、逃げ場を失った膿が歯の根から骨や皮膚へと広がっていきます。
放っておくと破裂するって本当?
はい、本当です。
膿がたまりすぎると、**皮膚の下で限界を迎え、外に破れて膿が出てくる(皮膚瘻:ひふろう)**状態になります。
多くの場合、目の下や口の横の皮膚に穴が開き、そこから膿が出てくるという、見た目にもショックな状態に…。
これはすでにかなり進行した感染で、本人も痛みや不快感を感じています。
膿が出てしまえば一時的に腫れが引いたように見えることもありますが、根本的な感染源は残ったままなので、再発する可能性も高いです。
こんな症状があれば要注意!
- 目の下の腫れ
- 腫れた部分を触ると痛がる、嫌がる
- ごはんを片側でしか噛まない
- よだれが増えた、口臭が強くなった
- 頬や口の横から膿が出てきた
これらはすべて、歯の根に問題がある可能性を示しています。
早めの治療が大切です。
治療はどうするの?
まずは腫れの原因を調べるために、口腔内の診察やレントゲン検査を行います。
治療の方法は症状の重さによって異なりますが、主に以下のような処置が考えられます。
① 抗生物質・消炎剤での内科治療
炎症が軽度であれば、内服薬で様子を見られることもありますが、根本治療にはなりません。
② 麻酔下での抜歯処置
感染した歯を抜くことで、原因をしっかり取り除くことができます。
抜歯後は膿も治まり、腫れや痛みも改善されます。
③ 根管治療(専門的処置)
一部の病院では、人間のように神経を取り除いて歯を残す「根管治療」も可能です(専門設備と技術が必要)。
まとめ:腫れてるだけ、じゃ済まない
✅ 目の下が腫れている場合、多くは「歯根膿瘍」が原因
✅ 放置すると皮膚が破れて膿が出ることもある
✅ 抜歯などの根本治療が必要になるケースが多い
✅ 本人の痛みや不快感は、思っているより強いかも…
「なんとなく腫れてるだけかも」と思っているうちに、どんどん悪化してしまうのがこのトラブルの怖いところです。
少しでも気になる症状があれば、早めに動物病院へご相談ください。
ワンちゃん・ネコちゃんの大切な歯と健康を守るために、定期的なチェックもおすすめですよ🐾
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レラ動物病院
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