歯が割れたらどうなる?放置すると怖い3つのこと
ある日、ワンちゃんやネコちゃんがごはんを食べにくそうにしていたり、口を触るのを嫌がるなと思ってよく見てみると……「あれ?歯が割れてる?」なんてことがあるかもしれません。
実は、**動物たちの歯が割れる(破折)**というのは決して珍しいことではありません。
でも、見た目には大きな変化がなくても、そのまま放置してしまうと痛みや深刻なトラブルにつながることもあるんです。
今回は、犬や猫の「歯が割れたときに起こること」「なぜ放置してはいけないのか」「治療法」について詳しくお話しします。
歯が割れるのはどうして?
犬や猫の歯が割れる原因は主に以下のようなものがあります:
- 硬いものを噛んだ(鹿の角、ヒヅメ、硬いプラスチック製のおもちゃなど)
- 事故や外傷(転倒・ぶつけたなど)
- 噛み合わせのクセやストレスによる噛みしめ
- 歯の構造的な弱さや、歯周病でのもろさ
特に**上顎の奥歯(第四前臼歯)**が割れやすく、硬いおやつやおもちゃが原因になっていることが多いです。
割れた歯を放っておくとどうなる?
「ちょっと欠けてるだけみたいだし、痛がってもいないから大丈夫かな」と思って様子を見る方も多いかもしれません。
でも、歯の中には神経(歯髄)が通っています。
割れた部分から細菌が入り込むと、さまざまな問題が起こる可能性があります。
1. 歯髄炎や歯根膿瘍になる
歯の内部に細菌が侵入すると、神経が炎症を起こす(歯髄炎)、さらに進行すれば**歯の根っこに膿がたまる(歯根膿瘍)**状態になります。
これはかなりの痛みを伴うため、犬や猫が物を噛まなくなったり、食欲が落ちることもあります。
2. 顔が腫れる・膿が出てくる
歯のトラブルがさらに悪化すると、顔の片側が腫れたり、皮膚を破って膿が出てきたりすることもあります。
「目の下が腫れている」などの症状は、よくある歯根膿瘍のサインです。
3. 感染が全身に広がる可能性も
細菌が血流に乗って体の中を巡ると、心臓や腎臓など、重要な臓器に悪影響を与える可能性もあります。
特に高齢の子や持病がある子は注意が必要です。
割れた歯の見分け方は?
犬や猫は痛みを隠す習性があるため、歯が割れていても気づきにくいことがあります。
次のようなサインが見られたら、歯のトラブルを疑いましょう。
- ごはんを片側でしか噛まない
- おもちゃで遊ばなくなった
- 硬いものを避けるようになった
- よだれが増えた、口臭が強くなった
- 顔の片側が腫れてきた
割れた歯の治療方法は?
割れた歯の治療には、症状や場所によっていくつかの選択肢があります。
① 抜歯
神経まで達している場合や、感染が進んでいる場合は抜歯が最も安全かつ確実な治療法です。
② 根管治療(歯の神経を取り除く治療)
歯を残したい場合に、歯の中の神経を除去して、封鎖する方法です。ただし、高度な技術や専門機器が必要です。
③ 削って形を整える(浅い欠けの場合)
神経まで達していない場合は、表面を削って滑らかにし、感染を防ぐ処置で済むこともあります。
まとめ:早めの受診で、大切な歯を守ろう
✅ 歯が割れたら、見た目以上にダメージがある可能性が高い
✅ 放置すると、感染・痛み・顔の腫れなどの深刻な症状に発展することも
✅ 割れた歯は、早期に治療すれば抜歯せずに済むケースもある
「歯が欠けてるかも?」「片側でしか噛まないみたい」など、小さな変化に気づいたら、できるだけ早く動物病院にご相談ください。
お口のトラブルは、健康寿命にも大きく関わります!
大切なパートナーが毎日おいしく・元気に過ごせるよう、歯の健康を守ってあげましょうね🦷🐶🐱
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