歯が欠けて、顔が腫れている!?考えられる原因と受診のポイント

歯が欠けて、顔が腫れている!?考えられる原因と受診のポイント

ある日、ワンちゃんやネコちゃんの顔を見て「なんだか片側が腫れている?」と気づいたことはありませんか?
さらによく見ると、「歯が欠けている」…そんなときは口の中のトラブルが深刻になっている可能性があります。

今回は、「歯が欠けた」「顔が腫れている」この2つが同時に見られたときに考えられる原因と、早めに動物病院を受診すべき理由についてご紹介します。


歯が欠ける原因とは?

歯が欠けてしまう原因はさまざまですが、特に多いのは以下のようなケースです。

  • 固いものをかじった(鹿の角、ヒヅメ、硬いおもちゃなど)
  • 事故や衝突による外傷
  • 歯の構造的な弱さ(特に猫や小型犬)
  • 歯周病で歯が脆くなっている

歯の中には神経(歯髄)があります。欠けた部分が神経まで到達すると強い痛みや感染の原因になります。


顔が腫れている原因は?

歯のトラブルと顔の腫れが同時に起きている場合、以下のような病気が疑われます。

1. 歯根膿瘍(しこんのうよう)

最も多いのがこの「歯根膿瘍」です。
欠けた歯や虫歯、歯周病などが原因で歯の根っこに膿がたまり、感染が広がる状態です。

膿がたまると、あごの骨や顔の皮膚の下まで炎症が波及し、顔がぼっこり腫れることがあります。
犬では**上顎の第4前臼歯(上の奥歯)**に多く、目の下が腫れてくるのが特徴です。

2. 歯周病の悪化

歯と歯茎のすき間から細菌が入り込み、歯肉炎や骨の炎症が進行している場合もあります。
このようなときも、顔が腫れたり、膿が皮膚から出てくることもあります。


歯が欠けてるけど、本人は元気?

実は、犬や猫は痛みに強く見えるため、重度の歯のトラブルがあっても普通にご飯を食べている子も少なくありません。

しかし、以下のようなサインがあれば、痛みや違和感がある可能性が高いです。

  • 片側でしか噛まない
  • おもちゃで遊ばなくなった
  • 食べ物を落とす
  • 顔を触られるのを嫌がる
  • よだれが増えた、においが気になる

見た目が元気でも、実際には進行したトラブルが隠れていることもあるため、油断は禁物です。


放っておくとどうなる?

歯の欠けや膿のたまりを放置しておくと、以下のような深刻な状態に進行することがあります。

  • 骨の感染(骨髄炎)
  • 皮膚の潰瘍(膿が皮膚を破って出てくる)
  • 慢性的な痛みと不快感
  • 他の臓器(心臓や腎臓)への影響

重症化すれば手術や全身麻酔による抜歯治療が必要になり、体への負担も大きくなります。


治療方法は?

症状の程度によりますが、一般的には以下のような治療が行われます。

  • レントゲン検査や歯科用画像検査で根本原因を確認
  • 抗生物質や消炎鎮痛剤による内科的治療
  • 麻酔下での抜歯や根管治療(歯髄を取り除く)

顔が腫れている場合は、膿を出す処置が必要なこともあります。


まとめ:見た目は元気でも、早めの受診を!

✅ 歯が欠けていて顔が腫れているときは、歯根膿瘍などの感染症の可能性が高い
✅ 見た目に症状が少なくても、放置すると悪化してしまいます
✅ できるだけ早く動物病院へ相談を!


歯の健康は、毎日の生活の質に大きく関わる大切なポイントです。
「いつもとちょっと違うかも?」と思ったら、早めにご来院くださいね🐾

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レラ動物病院
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