愛犬・愛猫の歯石、どうやって取る?放っておくと危険!

愛犬・愛猫の歯石、どうやって取る?放っておくと危険!

「うちの子、口が臭う気がする…」
「歯に黄色や茶色の汚れがついてるけど、これって大丈夫?」

そんなお悩みをお持ちの飼い主さんへ。今回は、犬や猫の「歯石」について、原因・放置した場合のリスク・自宅でできること・動物病院での対処方法をわかりやすくご紹介します。


歯石ってそもそも何?どうしてできるの?

歯石は、歯垢(プラーク)が石のように固まったものです。
歯垢は食べかすや細菌が集まってでき、わずか2~3日で歯石に変化します。特に犬や猫の唾液はアルカリ性で、歯石ができやすい環境です。

歯石は一度ついてしまうと、ブラッシングでは取れません。そのままにしておくと、口臭・歯肉炎・歯周病・歯のグラつきや抜け落ちにつながります。


歯石がつきやすい子の特徴

以下のような特徴のある子は、特に注意が必要です。

  • 小型犬(チワワ、トイプードル、ダックスフンドなど)
  • シニア期(7歳以上)
  • 歯磨きをしていない
  • ウェットフード中心の食生活
  • 口の中を触らせてくれない

特に小型犬は歯が密集していて歯垢がたまりやすく、歯周病のリスクが高いといわれています。


歯石は自宅で取れるの?

結論から言うと、一度硬くなった歯石は自宅では取りきれません
無理に金属の器具などで歯石を削ろうとすると、

  • 歯や歯ぐきを傷つけてしまう
  • 痛みやストレスを与える
  • 歯の表面を傷つけ、さらに汚れが付きやすくなる

といったリスクがあります。

市販の歯磨きシートやデンタルガムは、歯垢の予防には効果的ですが、歯石除去には不十分です。


歯石を取るにはどうしたらいいの?

歯石の除去には、**動物病院でのスケーリング(歯石除去処置)**が必要です。
これは、全身麻酔下で専用のスケーラーという機械を使って歯石をきれいに取り除く処置です。

歯石除去処置の流れ

  1. 事前検査(血液検査・レントゲンなど)で麻酔が安全にかけられるかを確認
  2. 全身麻酔下での歯石除去(歯ぐきの中の歯石まで除去)
  3. 必要に応じて抜歯、歯の研磨(ポリッシング)を実施
  4. 術後は歯磨きの練習やケア方法を指導

全身麻酔と聞くと不安な方も多いですが、無麻酔での歯石取りは危険です。動物が動いてしまうと、口の中を傷つけたり誤飲したりする可能性があります。


歯石を取った後はどうする?再発防止が大切!

歯石をきれいに取ったあとこそ、毎日のケアがとても大切です。
再び歯垢がたまり、また数日で歯石になってしまうため、日々の口腔ケアで再発を防ぎましょう。

おすすめのデンタルケア

  • 歯ブラシでのブラッシング(理想は毎日、難しい場合は週3回以上)
  • 歯磨きシートで口の中をふく
  • デンタルガムや噛むおもちゃを活用する
  • デンタルジェルや歯みがきスプレーを使う

最初は嫌がる子も多いので、少しずつ慣らしていくことが大切です。
最初は口を触ることから始め、徐々に歯磨きへとステップアップしていきましょう。


歯石放置で起こるこわい病気

歯石を放置すると、歯周病が進行し、歯を支える骨が溶けてしまうことも。
それだけではなく、口腔内の細菌が血流に乗って全身に広がることで、心臓や腎臓、肝臓に影響が出ることもあります。

「口の病気」と思って油断していると、命に関わる重大な病気に発展する可能性もあるのです。


まとめ:歯石は予防と定期ケアがカギ!

✅ 歯石は自宅では取れない!動物病院での除去が必要
✅ 一度取ったら、再発防止のためのケアが大切
✅ 歯石放置で命に関わる病気に発展するリスクもあり
✅ 小型犬やシニア、歯磨き習慣がない子は特に注意

「うちの子、歯石ついてるかも…?」と感じたら、まずは一度動物病院でご相談ください。
きれいな歯と口で、愛犬・愛猫が健康に長生きできるよう、今からできるケアを始めましょう!

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