1歳になっても乳歯が残ってる…そのままで大丈夫?
ワンちゃんやネコちゃんが1歳を迎えるころ。
「そろそろ永久歯が生えそろう頃だな~」と安心していたら…
「え?まだ乳歯が残ってる!?抜けてない!?」
そんな驚きと不安を感じる飼い主さんも多いかもしれません。
今回は「乳歯遺残(にゅうしいざん)」と呼ばれるこの状態について、
どんな影響があるのか、どう対応すべきかをわかりやすく解説します。
通常の歯の生え変わりはいつ?
ワンちゃん・ネコちゃんは、人間と同じように「乳歯」から「永久歯」へと生え変わります。
- 乳歯が生えそろうのは…生後3〜4ヶ月ごろ
- 永久歯に生え変わるのは…生後5〜7ヶ月ごろ
- 1歳ごろには、ほとんどが永久歯に
ところが、中には乳歯が抜けずに残ったままになっている子もいます。
これを「乳歯遺残(にゅうしいざん)」と呼びます。
乳歯が残ったままだと何が問題?
一見すると「小さい歯がもう1本あるだけ」と思われがちですが、乳歯が残ったままだといくつかのリスクがあります。
🦷 ① 歯並びが悪くなる
乳歯が抜けずに残っていると、永久歯が正しい位置に生えてこられません。
結果として、歯並びがガタガタになったり、咬み合わせがずれてしまうことも。
特に小型犬(チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど)は、顎が小さいのに歯の本数は多いため、影響を受けやすいです。
🦷 ② 歯垢がたまりやすくなる
乳歯と永久歯が並んでいると、すき間ができて食べかすや歯垢がたまりやすくなります。
その結果、歯周病や口臭の原因に。
若いうちから口腔トラブルが始まり、将来的に抜歯が必要になるケースも少なくありません。
🦷 ③ 顎の発育に影響を及ぼすことも
乳歯遺残による咬み合わせの異常は、顎の骨の成長にも悪影響を与える可能性があります。
たとえば、上あごと下あごの長さがアンバランスになったり、前歯の咬み合わせがずれてしまったりすることも。
抜かずに様子を見てもいいの?
乳歯が1本だけ残っていても、「抜かなくてもいいかな…?」と思うこともあるかもしれません。
ただし、1歳を過ぎても抜けない乳歯は、自然に抜ける可能性は非常に低いです。
逆に残したままにしておくことで、上で挙げたようなリスクがどんどん大きくなってしまうため、
基本的には抜歯が必要と考えてください。
抜歯はどうやって行うの?痛くない?
乳歯の抜歯は、通常全身麻酔で行います。
歯の根が深くてしっかりしている場合もあり、無理に引っ張ると歯が折れてしまったり、痛みや出血を伴ったりします。
そのため、動物にストレスや痛みを与えず、安全に確実に処置するためには麻酔が必要です。
去勢・避妊手術と一緒に行うこともできます
乳歯の抜歯は、去勢手術や避妊手術の際に一緒に行うケースが多いです。
すでに全身麻酔をかけるので、麻酔のリスクを最小限に抑えつつ、まとめて処置できるというメリットがあります。
「うちの子、手術の予定があるけど乳歯も残ってるみたい…」という場合は、
ぜひ事前に動物病院で歯のチェックをしてもらいましょう。
まとめ:1歳を過ぎて乳歯が残っていたら、まずは病院へ
✅ 1歳になっても乳歯が残っているのは「乳歯遺残」
✅ 放置すると歯並び・口腔環境・顎の成長に悪影響
✅ 基本的には抜歯が必要(自然に抜ける可能性は低い)
✅ 安全に処置するため、全身麻酔での抜歯が基本
✅ 去勢・避妊手術と一緒に行うことも可能!
乳歯が残っているかどうかは、見た目ではわかりにくいこともあります。
「これって乳歯?永久歯?」「抜いたほうがいいの?」と迷ったときは、
お気軽にご相談ください😊
当院では、歯の状態を確認したうえで、
最適な治療方針をご提案いたします!
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レラ動物病院
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セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
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