乳歯が残りやすいのはどこの歯?放置するとどうなる?

乳歯が残りやすいのはどこの歯?放置するとどうなる?

ワンちゃんやネコちゃんの歯は、人と同じように乳歯から永久歯へと生え変わります。
この生え変わりの時期に、乳歯が自然に抜けずに**残ってしまう「乳歯遺残(にゅうしいざん)」**という状態になることがあります。

では、乳歯はどの歯が残りやすいのでしょうか?
また、放置するとどんなリスクがあるのでしょうか?


乳歯の生え変わりはいつ?

まずは、犬猫の歯の生え変わりスケジュールを確認しましょう。

  • 生後2〜4週齢:乳歯が生え始める
  • 生後6〜8週齢:乳歯がほぼ生えそろう
  • 生後4〜6ヶ月:乳歯が抜け始め、永久歯が生えてくる
  • 生後6〜8ヶ月ごろ:すべての永久歯がそろう

このタイミングで乳歯がきちんと抜けないと、「二枚歯」のような状態になってしまいます。


最も残りやすいのは「犬歯(けんし)」

乳歯が特に残りやすいのが、「犬歯(けんし)」です。
犬や猫のお口の横にある、先がとがった歯で、「キバ」と呼ばれる部分ですね。

犬歯は根が深くてしっかりしているため、他の歯に比べて自然に抜けにくいという特徴があります。
その結果、永久歯が生えてきても乳歯がそのまま残り、2本の歯が並んでいるように見えることがあります。


次に多いのは「前臼歯(ぜんきゅうし)」

前臼歯」は、犬歯のうしろにある小さめの奥歯です。
この部分も乳歯が残りやすく、特に**小型犬(チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど)**に多く見られます。

小型犬はあごが小さく、歯が密集して生えるため、永久歯が乳歯をうまく押し出せないことがあります。
その結果、乳歯が抜けずに残ってしまうのです。


「切歯(せっし)」や「臼歯」は比較的少ない

前歯にあたる「切歯」や、奥の大きな歯である「臼歯」は、犬歯や前臼歯に比べると乳歯遺残は少ない傾向にあります。
ただし、全く起こらないわけではないため、生え変わりの時期にはすべての歯を確認することが大切です。


放置するとどうなる?乳歯遺残のリスク

乳歯が残っていても痛みや症状が出ないこともありますが、放置するとさまざまな問題が起こる可能性があります。

  • 歯並びの悪化
     永久歯が正しい位置に生えず、かみ合わせにズレが生じます。
  • 歯垢・歯石がたまりやすくなる
     乳歯と永久歯の間に汚れがたまりやすく、口臭や歯周病の原因になります。
  • 将来の歯の健康に悪影響
     歯のトラブルから、歯の早期喪失や内臓疾患につながることもあります。

乳歯が残っているか確認するには?

見た目で分かる場合もありますが、実際は乳歯か永久歯かの判別は難しいことも多いです。

  • 「歯が2本並んでる?」
  • 「歯の間にすき間がない」
  • 「歯の形が小さくて細い」

こういった場合は、乳歯遺残の可能性があります。
しかし、正確な診断は動物病院での診察が必要です。


気づいたら、獣医師に相談を

通常、1歳までに乳歯がすべて抜けていない場合は、自然に抜けることはほとんどありません。
そのため、多くの場合は麻酔下での抜歯が必要となります。

特に、避妊・去勢手術のタイミングで一緒に抜歯するのが一般的です。
麻酔の回数を減らせるため、体への負担も少なく済みます。


まとめ

✅ 乳歯が最も残りやすいのは犬歯
✅ 次に多いのが前臼歯、切歯や臼歯は比較的少なめ
✅ 放置すると歯並びや口腔内トラブルの原因になる
✅ 気になったら早めに獣医師へ相談しましょう


歯の健康は、若いうちのケアがとても大切です。
「乳歯が残ってるかも?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください🐶🐱🦷



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