乳腺腫瘍を見つけたら触らない方がいいの?

乳腺腫瘍を見つけたら触らない方がいいの?

犬や猫の乳腺腫瘍は、特に避妊手術をしていないメスに多く見られる腫瘍です。

「お腹を撫でていたら、しこりのようなものを見つけた!」
「これって腫瘍?触ると悪化するの?」

と不安になる飼い主さんも多いのではないでしょうか?

本記事では、乳腺腫瘍を見つけたときの対処法、触ってもいいのか、治療法について詳しく解説します!


1. 【乳腺腫瘍とは?】

乳腺腫瘍とは、乳腺(おっぱいの部分)にできる腫瘍のことです。

犬と猫では、腫瘍の性質や発生率が異なります。

犬の乳腺腫瘍:約50%が良性、約50%が悪性
猫の乳腺腫瘍:約90%が悪性(高確率でがん)

犬は半分が良性腫瘍ですが、猫の場合は**ほとんどが悪性(乳がん)**のため、注意が必要です。


2. 【乳腺腫瘍を見つけたら触らない方がいい?】

◇ 基本的に「強く押したり、刺激を与えたりするのはNG」

軽く触る程度なら問題ないが、強く押すのは避ける!
腫瘍が破れたり、炎症を起こしたりする可能性がある!
触りすぎることで血流が増え、腫瘍の成長を促すことがある!

特に、急に大きくなってきた腫瘍や、赤みや腫れがあるものは要注意!

◇ 「しこり」があったら、どうすればいい?

💡 すぐに動物病院で診察を受けましょう!

乳腺腫瘍は早期発見・早期治療がとても重要です。

「良性か悪性か」は、見た目や触っただけでは判断できません。腫瘍が小さいうちに診断・治療を行うことで、完治の可能性が高まります。


3. 【乳腺腫瘍のチェックポイント】

乳腺腫瘍は、お腹の左右に並ぶ乳腺のどこにでも発生します。

しこりが1つだけ or 複数ある
小さくても徐々に大きくなっている
硬くて動きにくいしこり(悪性の可能性あり)
赤くなっている、炎症を起こしている
膿が出ている or 皮膚が破れている

このような症状がある場合は、早めに受診することをおすすめします!


4. 【乳腺腫瘍の診断方法】

動物病院では、以下の方法で乳腺腫瘍を診断します。

視診・触診:腫瘍の大きさや状態を確認
細胞診(FNA):針で細胞を採取し、良性・悪性を調べる
X線・超音波検査:腫瘍の広がりや転移の有無を確認
血液検査:全身状態や炎症の有無を確認

悪性の場合、肺などに転移することがあるため、レントゲン検査が重要です。


5. 【乳腺腫瘍の治療法】

乳腺腫瘍の治療は、基本的に手術(腫瘍の摘出)が第一選択になります。

手術(腫瘍摘出)

良性・悪性にかかわらず、手術で取り除くのが一般的!
特に猫の場合は、ほとんどが悪性のため、早期手術が推奨される!
リンパ節や乳腺全体の摘出が必要になることもある!

避妊手術の併用(予防も兼ねる)

若いうち(初回発情前)に避妊手術をすると、乳腺腫瘍の発生率が低下する!
避妊手術をしていないメス犬・メス猫は、発症リスクが高い!

抗がん剤治療

悪性腫瘍の場合、手術後に抗がん剤を使用することがある!
特に猫では転移率が高いため、手術後の抗がん剤が推奨される!


6. 【乳腺腫瘍の予防はできる?】

乳腺腫瘍の最大の予防策は、若いうちに避妊手術を受けることです。

初回発情前(生後6か月頃)に避妊手術をすると、乳腺腫瘍の発生率が90%以上低下!
1回目の発情後に手術しても、ある程度の予防効果あり!
2回目の発情後では、予防効果が大きく低下!

また、定期的にお腹を触ってしこりがないかチェックすることも大切です。


7. 【まとめ】

🔹 乳腺腫瘍を見つけたら、強く押したり、何度も触ったりしない!
🔹 軽く触れるだけならOKだが、炎症や破裂のリスクがあるので注意!
🔹 小さなしこりでも、早めに動物病院で診察を受けることが大切!
🔹 治療の基本は手術での摘出!特に猫の乳腺腫瘍は早期手術が重要!
🔹 避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生を大幅に予防できる!

「これって腫瘍かな?」と思ったら、自己判断せずに動物病院で診てもらうことが大切です。

愛犬・愛猫の健康を守るために、定期的にお腹をチェックし、気になるしこりを見つけたらすぐに相談しましょう!

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レラ動物病院
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