乳腺腫瘍の初期症状とは?飼い主さんができるチェックポイント
犬や猫の乳腺腫瘍は、特に避妊手術をしていないメスに多くみられる病気です。早期発見が重要ですが、初期の段階では飼い主さんが気づきにくいこともあります。
「乳腺腫瘍ってどんな症状が出るの?」
「早めに気づくためには、どこをチェックすればいいの?」
今回は、乳腺腫瘍の初期症状やチェックポイントについて詳しく解説します!
1. 【乳腺腫瘍とは?】
乳腺腫瘍とは、乳腺に発生する腫瘍(しこり)のことを指します。
✅ 良性腫瘍(転移せず、進行が遅い)
✅ 悪性腫瘍(乳がん)(転移の可能性があり、進行が早い)
犬の乳腺腫瘍の約50%は悪性、猫では80~90%が悪性とされており、特に猫の乳腺腫瘍は注意が必要です。
早期発見・早期治療が重要なため、普段からチェックを行うことが大切です。
2. 【乳腺腫瘍の初期症状】
◇ ① 乳腺部分に小さなしこり(できもの)がある
✅ 米粒~小豆サイズのしこりができる
✅ しこりは片側または両側の乳腺にできる
✅ 触るとコロコロと動くものもあれば、皮膚に癒着して動かないものもある
乳腺腫瘍の初期段階では、小さなしこりが1つだけできることが多いですが、進行すると増えてくることがあります。
◇ ② しこりの周りの皮膚が変色・炎症している
✅ 赤く腫れている
✅ 皮膚が薄くなっている
✅ しこりが破れて出血していることもある
特に、腫瘍が急激に大きくなってきた場合は、悪性の可能性が高いため、早めの受診が必要です。
◇ ③ 乳頭や乳腺から異常な分泌物が出る
✅ 血の混じった液体が出る
✅ 黄色や白い膿のような分泌物がある
正常な乳腺からは分泌物が出ることはほとんどないため、異常な分泌物を見つけたらすぐに病院で診てもらいましょう。
◇ ④ 乳腺部分を気にして舐める・噛む
✅ しこりや違和感があるため、しきりに舐めたり噛んだりする
✅ 炎症や感染を起こしている可能性もある
舐めすぎることで、しこりが潰れてしまい、さらに悪化することがあるため要注意です。
3. 【乳腺腫瘍のチェックポイント】
乳腺腫瘍は早期発見が重要!
自宅でできるチェックポイントを覚えて、定期的に確認しましょう。
✅ 乳腺しこりチェックのやり方
🔹 月に1回、愛犬・愛猫の乳腺をチェックする習慣をつけましょう!
🔹 両手の指の腹を使い、優しくなでるように乳腺全体を触ってみる
🐾 チェックする場所
✅ お腹の左右に並んだ乳腺(犬は5対10個、猫は4対8個)
✅ 乳頭周りやその近くの皮膚の状態も確認
🐾 チェックポイント
☑ しこりがないか?(小さいものでも要注意!)
☑ 乳腺の皮膚が赤く腫れていないか?
☑ 乳頭やしこりの部分から分泌物が出ていないか?
☑ 痛がる・嫌がる様子はないか?
違和感があったら、すぐに動物病院へ相談しましょう!
4. 【乳腺腫瘍を予防する方法】
① 避妊手術を受ける
✅ 犬:初回発情前(生後6か月前後)に避妊手術を受けると、乳腺腫瘍の発生リスクがほぼゼロに
✅ 猫:避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生率が大幅に低下
避妊手術を受ける時期が遅れると、乳腺腫瘍の予防効果は低くなるため、早めの決断が重要です。
② 適正体重を維持する
✅ 肥満はホルモンバランスを崩し、腫瘍のリスクを高める
✅ 適切な食事管理と運動を心がける
③ ホルモン剤の使用を避ける
✅ 発情抑制のためのホルモン注射(避妊せずに使う薬)は、乳腺腫瘍のリスクを高める
✅ 長期間の使用は避けることが望ましい
5. 【乳腺腫瘍が見つかったら?】
乳腺腫瘍は、大きくなる前に早めの治療を受けることが重要です。
◆ 診断方法
✅ 視診・触診(しこりの大きさや場所を確認)
✅ 細胞診・生検(腫瘍が良性か悪性かを調べる)
✅ X線・超音波検査(転移の有無をチェック)
◆ 治療方法
✅ 外科手術(腫瘍の摘出):最も有効な治療法
✅ 抗がん剤・放射線治療(転移がある場合や悪性の場合)
✅ 緩和ケア(痛みや炎症を抑える治療)
【まとめ】
🔹 乳腺腫瘍は早期発見が重要!
🔹 初期症状は「小さなしこり」「皮膚の炎症」「分泌物」など!
🔹 自宅で定期的に乳腺チェックを行いましょう!
🔹 避妊手術をすると予防効果が高い!
🔹 異変を感じたら、すぐに動物病院を受診!
「小さなしこりだから大丈夫」と放置せず、できるだけ早く動物病院で診てもらうことが大切です。
日頃のチェックで愛犬・愛猫の健康を守りましょう!
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レラ動物病院
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