前立腺癌は外から見てわかる?飼い主が気づくべき症状とは

前立腺癌は外から見てわかる?飼い主が気づくべき症状とは

前立腺癌(ぜんりつせんがん)は、犬で比較的まれな病気ですが、進行が早く、発見が遅れると他の臓器に転移しやすいのが特徴です。

「外から見てわかる症状はあるの?」
「どんな変化があったら動物病院に連れて行くべき?」

飼い主さんが気づきやすいサインをまとめましたので、早期発見の参考にしてください。


1. 【前立腺癌とは?】

前立腺は、オスの犬の膀胱のすぐ後ろにある生殖器官の一つです。精液の一部を作る役割があり、加齢とともに病気を発症しやすくなります。

前立腺癌は、特に去勢をしていない高齢犬に発生しやすい悪性腫瘍で、骨や肺などへ転移しやすいのが特徴です。

好発年齢:8歳以上のオス犬
好発犬種:ラブラドール・レトリーバー、シェットランド・シープドッグなど


2. 【前立腺癌は外から見てわかる?】

前立腺は体の内側にあるため、外見から直接確認することはできません。 しかし、前立腺が腫れることで、いくつかの異変が現れることがあります。

◇ 飼い主さんが気づける症状

便の形が変わる(細くなる、つぶれる)
排便しにくそうにしている(いきむが出ない、時間がかかる)
排尿の回数が増える、または尿が出にくい
血尿が出る
後ろ足がふらつく、歩き方がおかしい

前立腺がんが進行すると、腫れた前立腺が腸や尿道を圧迫するため、排便や排尿に影響が出ます。 そのため、「便の形が細くなったり、出にくくなったりする」のは、比較的初期に気づきやすいサインの一つです。


3. 【前立腺癌の進行による変化】

初期症状
✅ 便が細くなる
✅ 排尿の回数が増える
✅ 軽い血尿が出る

中期症状
✅ 排便・排尿がさらに困難になる
✅ お腹を触ると痛がる
✅ 歩き方がぎこちなくなる(後ろ足のふらつき)

末期症状
✅ 骨転移による激しい痛み
✅ 立つのが難しくなる
✅ 食欲低下、元気がなくなる

前立腺癌は、進行すると腰や後ろ足の骨に転移することが多く、歩行困難や激しい痛みを伴うことがあります。


4. 【動物病院での診断方法】

動物病院では、以下の方法で診断を行います。

直腸検査(前立腺の腫れや硬さを確認)
超音波検査(腫瘍の大きさや位置を確認)
レントゲン検査(骨転移の有無を確認)
尿検査(異常細胞や血尿の確認)

特に直腸検査では、前立腺の大きさや硬さを触診でチェックできるため、比較的早期に異常を発見できることがあります。


5. 【前立腺癌の治療方法】

前立腺癌は進行が早く、手術での完全切除が難しいため、以下の治療が行われることが多いです。

放射線治療

腫瘍の成長を抑え、痛みを軽減する
特に骨転移がある場合に有効

抗がん剤治療

がん細胞の増殖を抑える
犬の前立腺癌に効果がある薬が一部報告されている

緩和ケア(痛みを抑える治療)

鎮痛剤や消炎剤で生活の質を向上させる
排尿・排便を助ける処置を行うことも

前立腺癌は完全治癒が難しいため、「進行を抑えながら生活の質を維持する治療」が中心になります。


6. 【前立腺癌の予防はできる?】

前立腺癌の確実な予防法はまだ確立されていませんが、いくつかのリスク軽減方法が考えられます。

定期的な健康診断(直腸検査・超音波検査)を受ける
排尿・排便の変化に気を配る
早めに動物病院で相談する


【まとめ】

🔹 前立腺癌は外から見えないが、排便・排尿の変化で気づくことができる!
🔹 便が細くなる・排尿しづらい・血尿が出るなどの症状が要注意!
🔹 進行すると後ろ足のふらつきや歩行困難が出ることも!
🔹 放射線治療や抗がん剤で進行を抑え、痛みを軽減することが可能!
🔹 定期的な健康診断で早期発見が重要!

「最近、便の形が細くなった」「おしっこの回数が増えた」など、気になる症状がある場合は、早めに動物病院で相談しましょう!

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レラ動物病院
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