乳腺腫瘍は何日で大きくなる?成長スピードと早期発見の重要性

乳腺腫瘍は何日で大きくなる?成長スピードと早期発見の重要性

犬や猫の乳腺腫瘍は、特に避妊手術を受けていないメスでよく見られる腫瘍です。
「乳腺にしこりがあるけど、様子を見て大丈夫?」
「この腫瘍はどれくらいのスピードで大きくなるの?」
と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。

今回は、乳腺腫瘍の成長スピード、良性と悪性の違い、治療法について詳しく解説します。


1. 【乳腺腫瘍とは?】

乳腺腫瘍とは、乳腺にできる腫瘍(しこり)のことを指します。

犬の乳腺腫瘍の約50%が良性、残りの50%が悪性
猫の乳腺腫瘍の約80~90%が悪性(がん)

特に猫の乳腺腫瘍は悪性率が高く、進行が早いため要注意です。


2. 【乳腺腫瘍は何日で大きくなる?】

◇ 良性の場合

数か月~数年かけてゆっくり成長することが多い
触った感じが丸く、境界がはっきりしている

◇ 悪性(乳がん)の場合

数週間~数か月で急激に大きくなることがある
表面がデコボコしていたり、硬くて動かない場合は要注意
進行が早い場合、1週間で明らかに大きくなることも

特に猫の場合は、悪性率が非常に高く、短期間で大きくなるケースが多いため、発見次第すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。


3. 【乳腺腫瘍の進行スピードの目安】

乳腺腫瘍の種類によって成長スピードは異なりますが、一般的な進行の目安は以下の通りです。

腫瘍の種類大きくなるスピード特徴
良性乳腺腫瘍数か月~数年ゆっくり成長し、転移しにくい
悪性乳腺腫瘍(乳がん)数週間~数か月早く大きくなり、転移しやすい
炎症性乳がん数日~数週間急速に増大し、炎症や痛みを伴う

4. 【乳腺腫瘍の進行と症状】

乳腺腫瘍は、進行すると以下のような症状が現れます。

しこりがどんどん大きくなる
しこりの表面がただれる、出血する
しこりが硬く、動かない
乳頭から分泌物が出る
リンパ節が腫れる(転移の可能性)
食欲が落ちる、元気がなくなる(進行がんの場合)

「1週間でしこりが大きくなった」「しこりが赤く腫れている」などの変化があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。


5. 【乳腺腫瘍の診断方法】

動物病院では、以下の方法で診断を行います。

視診・触診(しこりの大きさや形を確認)
レントゲン検査(肺への転移チェック)
超音波検査(腫瘍の内部構造を確認)
細胞診や生検(腫瘍の性質を調べる)

悪性が疑われる場合は、早期に手術を検討することが推奨されます。


6. 【乳腺腫瘍の治療方法】

手術(外科的切除)

腫瘍が小さいうちに切除することで、根治が可能
悪性の場合は、早期に摘出することで転移を防ぐ
特に猫の場合は、乳腺全摘出が推奨されることが多い

抗がん剤治療

転移がある場合や、手術後の補助療法として実施
進行した乳がんの延命治療として使用することも

ホルモン療法(犬の場合)

女性ホルモンが関与する腫瘍の一部では、ホルモン療法が有効な場合もある

猫の乳腺腫瘍は悪性の可能性が高いため、基本的に「できるだけ早く手術をする」ことが最も有効な治療法とされています。


7. 【乳腺腫瘍の予防方法】

乳腺腫瘍は、早期の避妊手術によって予防できることがわかっています。

初回発情前(生後6か月まで)の避妊手術 → 乳腺腫瘍の発生率0.5%
1回目の発情後(生後1年以内)の避妊手術 → 乳腺腫瘍の発生率8%
2回目の発情後(生後2年以降)の避妊手術 → 乳腺腫瘍の発生率26%

つまり、若いうちに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍のリスクを大幅に下げることが可能です。


【まとめ】

🔹 乳腺腫瘍の成長スピードは、良性なら数か月~数年、悪性なら数週間~数か月で大きくなる!
🔹 猫の乳腺腫瘍は80~90%が悪性で、進行が非常に早いので注意!
🔹 「1週間でしこりが大きくなった」「出血や腫れがある」場合は早めに受診!
🔹 早期発見・早期治療が重要!特に手術での摘出が最も効果的!
🔹 避妊手術をすることで、乳腺腫瘍のリスクを大幅に下げることができる!

乳腺腫瘍は、発見が遅れると転移してしまう危険性があります。 もし愛犬・愛猫にしこりを見つけたら、すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。

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