動物にも疲労骨折ってあるの?

動物にも疲労骨折ってあるの?原因や治療法を解説!

「疲労骨折」と聞くと、人間のスポーツ選手やマラソンランナーがなるもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、実は犬や猫などの動物にも疲労骨折が起こることがあります。

今回は、動物の疲労骨折について、原因や症状、治療方法、予防策を詳しく解説します。


1. 【疲労骨折とは?】

疲労骨折とは、骨に繰り返し負荷がかかることで発生する骨折のことです。通常の骨折は、強い衝撃によって骨が折れるのに対し、疲労骨折は小さなダメージが何度も蓄積されることで、骨が徐々にひび割れてしまうのが特徴です。

人間では、マラソンランナーやバスケットボール選手などのアスリートに多いですが、犬や猫でも起こることがあります。


2. 【どんな動物に疲労骨折が起こりやすい?】

疲労骨折は、以下のような動物で発生しやすいとされています。

活発な犬種

ジャック・ラッセル・テリア
ボーダー・コリー
シベリアン・ハスキー
ドーベルマン など

これらの犬種は運動量が多いため、ジャンプやダッシュを繰り返すことで、骨に負担がかかりやすくなります。

スポーツドッグや作業犬

アジリティ競技に参加する犬
警察犬や盲導犬、牧羊犬などの作業犬

長時間のトレーニングを行うことで、骨に継続的なストレスがかかり、疲労骨折を起こすことがあります。

高齢の犬や猫

年齢を重ねると、骨密度が低下し、少しの負荷でも疲労骨折を起こしやすくなります。特に関節炎や骨粗しょう症を持っている場合は注意が必要です。

骨が未発達の子犬・子猫

成長途中の動物は骨がまだ十分に強くないため、過度な運動をすると疲労骨折のリスクが高くなります。


3. 【疲労骨折の症状】

疲労骨折は、通常の骨折と違って突然動けなくなるわけではなく、徐々に症状が現れるのが特徴です。

歩き方がおかしい(びっこを引く)
運動を嫌がる、すぐに座る
ジャンプや階段の昇り降りを避ける
骨折部位を触ると嫌がる
患部が腫れる、熱を持つ

初期段階では軽い違和感や痛み程度ですが、放置すると完全な骨折につながることもあるため、早めの診察が大切です。


4. 【疲労骨折が起こりやすい部位】

犬や猫で疲労骨折が起こりやすい部位は以下の通りです。

前足の橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)(特に小型犬)
後足の脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)(特に大型犬)
指の骨(趾骨・しこつ)(アジリティ競技に出る犬)
背骨(馬ではよく見られる)

これらの部位に負荷がかかりすぎると、疲労骨折が発生するリスクが高くなります。


5. 【診断方法】

動物病院では、以下の方法で疲労骨折の診断を行います。

視診・触診

獣医師が歩き方をチェックし、痛みのある部位を確認します。

レントゲン検査

初期の疲労骨折ではレントゲンに異常が映らないこともありますが、進行すると骨のひびや腫れが確認できることがあります。

CT検査

より詳細に骨の状態を確認するため、CT検査を行うこともあります。


6. 【疲労骨折の治療方法】

安静が第一!

疲労骨折の治療には、骨にかかる負担を減らすことが最も重要です。
運動を制限する(散歩を短くする、走らせない)
ケージレスト(ケージで安静に過ごす)
階段やソファへのジャンプを避ける

痛み止めや消炎剤の使用

痛みが強い場合は、**消炎鎮痛剤(NSAIDs)**を処方することがあります。

ギプスや包帯で固定

患部をしっかり固定することで、骨の回復を助けます。

手術(重度の場合)

骨折が進行している場合や、回復が見込めない場合は、プレートやピンで固定する手術が必要になることもあります。


7. 【疲労骨折の予防策】

疲労骨折を防ぐためには、日常生活の中でのケアが重要です。

適度な運動を心がける(過度なトレーニングを避ける)
フローリングでは滑り止めマットを敷く
高すぎるジャンプを避ける(ソファやベッドの高さを調整)
栄養バランスのとれた食事を与える(カルシウムやビタミンDを意識)
定期的な健康診断を受ける

特に、運動量の多い犬種や成長期の子犬は、無理な運動を避けることが大切です。


【まとめ】

疲労骨折は、繰り返しの負荷で骨が少しずつひび割れる骨折のこと!
活発な犬やスポーツドッグ、高齢犬に起こりやすい!
歩き方の異変や運動嫌いが初期症状!
治療は安静が基本!重症化すると手術が必要になることも!
日頃から適度な運動や栄養管理で予防が可能!

愛犬・愛猫の健康を守るために、日々の運動量や歩き方をしっかりチェックし、異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう!

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