乳腺腫瘍は最初は小さいの?犬や猫のしこりに気づいたら
犬や猫の乳腺腫瘍は、特に未避妊のメスに多くみられる腫瘍の一つです。飼い主さんの中には、**「最初は小さなしこりだったのに、どんどん大きくなってしまった!」**と驚かれる方も多いのではないでしょうか?
乳腺腫瘍は、最初は小さいことがほとんどですが、時間とともに大きくなったり、悪性の場合は転移したりするリスクがあります。
本記事では、乳腺腫瘍の大きさの変化や発見時のポイント、治療法について詳しく解説します。
1. 【乳腺腫瘍は最初は小さいの?】
◇ 乳腺腫瘍は最初は小さな「しこり」として発見されることが多い
✅ 直径5mm以下の小さなしこりから始まることが多い
✅ しこりの感触は、硬いものから柔らかいものまでさまざま
✅ 時間とともに大きくなり、数ヶ月で急に成長することもある
乳腺腫瘍は、最初は小さく、飼い主さんが気づきにくいこともあります。しかし、成長スピードは腫瘍の種類によって異なり、悪性のものほど短期間で大きくなる傾向があります。
2. 【乳腺腫瘍の良性と悪性の違い】
乳腺腫瘍には良性と悪性のものがあります。
良性腫瘍 | 悪性腫瘍(乳がん) | |
---|---|---|
成長速度 | ゆっくり | 速い |
大きさの変化 | 数ヶ月~年単位で成長 | 短期間で急速に大きくなる |
触った感じ | 表面が滑らかで動く | 固く、周囲の組織と癒着していることが多い |
転移の可能性 | ほぼなし | 肺やリンパ節に転移することがある |
痛み | なしまたは軽度 | 痛みや炎症を伴うことがある |
初期の段階では、良性と悪性を見分けることが難しいため、動物病院で検査を受けることが重要です。
3. 【乳腺腫瘍の発見時にチェックすべきポイント】
乳腺腫瘍は、早期発見が重要です。お腹を撫でたり、お風呂の時にチェックしてみましょう。
◇ チェックするべきポイント
✅ しこりの大きさ(小豆くらいのサイズから始まることが多い)
✅ 触ったときの硬さ(柔らかいか、硬くて動かないか)
✅ 数週間で大きくなっていないか
✅ 乳腺周囲の皮膚に赤みやただれがないか
✅ 多発していないか(複数個できることもある)
1つでも気になることがあれば、早めに動物病院で診察を受けましょう!
4. 【乳腺腫瘍の診断方法】
動物病院では、以下のような方法で診断します。
✅ 視診・触診(大きさや硬さ、動くかどうかを確認)
✅ 細胞診検査(針を刺して細胞を採取し、良性か悪性かを判断)
✅ X線検査(肺への転移がないか確認)
✅ 超音波検査(エコー)(腫瘍の内部構造を確認)
細胞診だけでは正確に良性・悪性の判断ができないこともあるため、手術で摘出した後に病理検査を行うことが一般的です。
5. 【乳腺腫瘍の治療方法】
◇ ① 外科手術(摘出手術)
✅ 基本的に乳腺腫瘍は手術が第一選択
✅ 小さな良性腫瘍でも、大きくなる前に摘出したほうがよい
✅ 悪性の場合は、腫瘍だけでなく周囲の乳腺やリンパ節も一緒に切除
手術後の再発リスクを下げるために、早期発見・早期手術が重要です!
◇ ② 避妊手術で予防できる?
✅ 犬は初回発情前(生後6ヶ月頃)に避妊すると乳腺腫瘍の発症リスクが90%低下!
✅ 猫も避妊手術で乳腺腫瘍のリスクを低減できる
避妊手術をすることで、ホルモンの影響を受けにくくなり、乳腺腫瘍の発症率を大幅に減らすことができます。
◇ ③ 放射線治療・抗がん剤治療
✅ 悪性腫瘍で転移がある場合、抗がん剤を使用することもある
✅ 手術ができないケースでは、放射線治療が選択されることも
ただし、乳腺腫瘍は外科手術が最も効果的な治療法とされています。
6. 【まとめ】
✅ 乳腺腫瘍は最初は小さな「しこり」から始まる!
✅ 良性か悪性かは見た目では判断できないため、検査が必要!
✅ 避妊手術をすることで予防できる!
✅ 治療の基本は外科手術!早期発見・早期摘出が大切!
愛犬・愛猫のお腹に「しこり」を見つけたら、小さいうちに動物病院で診てもらうことが重要です。
特に成長スピードが速い場合や、炎症がある場合は悪性の可能性もあるため、早めの診察をおすすめします!
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レラ動物病院
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