乳腺腫瘍はなぜできるのか?原因と予防法を解説

乳腺腫瘍はなぜできるのか?原因と予防法を解説

犬や猫の乳腺腫瘍は、特にメスで発生しやすい腫瘍の一つです。

「なぜ乳腺腫瘍ができるの?」
「避妊手術をすると予防できるって本当?」
「もし腫瘍ができたらどうすればいいの?」

こういった疑問を持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか?

この記事では、乳腺腫瘍の原因や発症しやすい条件、予防策について詳しく解説します。


1. 【乳腺腫瘍とは?】

乳腺腫瘍とは、乳腺(お腹側の乳房部分)にできる腫瘍(しこり)のことを指します。

犬の腫瘍全体の約50%を占める
猫の腫瘍全体の約20%を占める

特に犬ではメスの腫瘍の約50%が乳腺腫瘍と言われており、とてもよく見られる腫瘍の一つです。

また、猫の乳腺腫瘍は犬に比べて悪性(がん)の割合が高いことが特徴です。


2. 【乳腺腫瘍はなぜできるのか?】

乳腺腫瘍が発生する原因には、主にホルモンの影響、遺伝、環境要因が関係しています。

ホルモン(女性ホルモン)の影響が大きい

特に未避妊(避妊手術をしていない)メスに多い
エストロゲンやプロゲステロン(女性ホルモン)の刺激で腫瘍が成長
避妊手術のタイミングが乳腺腫瘍のリスクを左右する

犬や猫の乳腺は、女性ホルモンの影響を強く受ける組織です。発情周期が繰り返されることで、乳腺の細胞が異常増殖し、腫瘍が発生する可能性が高くなります。

特に犬では、初回発情前(生後6か月ごろ)に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍のリスクを大幅に減らすことができます。

遺伝的要因

特定の犬種・猫種で発生率が高い
親や兄弟に乳腺腫瘍の発症歴がある場合、リスクが高まる可能性がある

【発症リスクが高いとされる犬種】
トイ・プードル
ミニチュア・ダックスフンド
シーズー
ヨークシャー・テリア
コッカー・スパニエル

【発症リスクが高いとされる猫種】
シャム猫(リスクが高いと報告あり)
ペルシャ猫

環境要因(食事・肥満・ストレスなど)

肥満は乳腺腫瘍のリスクを高める可能性がある
加工食品や添加物の影響も指摘されている
環境ホルモン(化学物質)の影響がある可能性も

特に肥満の犬では、体脂肪がホルモンのバランスに影響を与え、乳腺腫瘍のリスクを高める可能性が指摘されています。

また、食事の質やストレスも発がんリスクに影響を及ぼす可能性があるため、バランスの取れた食事と適度な運動が重要です。


3. 【乳腺腫瘍は良性?悪性?】

犬と猫の乳腺腫瘍は、良性(転移しない)と悪性(がん)に分かれます。

犬の乳腺腫瘍:50%が良性、50%が悪性
猫の乳腺腫瘍:80~90%が悪性

犬の場合は半分が良性腫瘍ですが、猫の場合は悪性の確率が高いため注意が必要です。

また、最初は良性だった腫瘍が悪性に変化することもあるため、放置せずに適切な対応を取ることが重要です。


4. 【乳腺腫瘍を予防する方法】

早めの避妊手術が最も有効!

初回発情前に避妊手術をすると、乳腺腫瘍の発生リスクが90%以上減少
2回目の発情後でも、リスクは50~60%減少
3回目の発情以降は予防効果が低下する

避妊手術のタイミングによって、乳腺腫瘍の予防効果が大きく変わります。生後6か月~1歳頃までに避妊手術を行うと、予防効果が非常に高いとされています。

適切な体重管理

肥満が乳腺腫瘍のリスクを高める可能性があるため、体重管理が重要
高脂肪・高カロリーの食事を避ける
適度な運動を取り入れる

定期的な健康チェック

しこりがないか、定期的にお腹を触ってチェックする
動物病院での健康診断を受ける
乳腺に違和感を感じたらすぐに病院へ!

乳腺腫瘍は早期発見が重要!
しこりが小さいうちに見つけることで、治療の成功率が上がります。


【まとめ】

乳腺腫瘍の発生には、ホルモン(女性ホルモン)の影響が大きい!
遺伝的な要因や、肥満・食事などの環境要因も関係する!
犬の乳腺腫瘍は50%が良性だが、猫の乳腺腫瘍は80~90%が悪性!
早めの避妊手術をすることで、乳腺腫瘍のリスクを大幅に減らせる!
日頃から健康チェックを行い、しこりを見つけたらすぐに病院へ!

乳腺腫瘍は、適切な予防と早期発見によってリスクを減らすことができます。
大切な愛犬・愛猫の健康を守るために、定期的なチェックと適切なケアを心がけましょう!

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