犬や猫の腫瘍と季節の変わり目

犬や猫の腫瘍と季節の変わり目

季節の変わり目は、犬や猫の体調が変化しやすい時期です。特にシニア期に入ったペットや持病を抱えている子にとっては注意が必要です。中でも「腫瘍」は、飼い主が見落としやすく、早期発見が重要な疾患の一つです。今回は、犬猫の腫瘍に関する知識と、季節の変わり目に気をつけるポイントをご紹介します。

腫瘍とは?

腫瘍とは、細胞が異常に増殖することでできる「しこり」や「できもの」を指します。腫瘍には「良性腫瘍」と「悪性腫瘍(がん)」があり、どちらも放置すると健康を害する恐れがあります。

  • 良性腫瘍:転移のリスクは低いものの、大きくなって圧迫や不快感を引き起こすことがあります。
  • 悪性腫瘍:急速に増殖し、他の臓器に転移する恐れがあります。早期発見と治療が重要です。

季節の変わり目に腫瘍が見つかりやすい理由

季節の変わり目は、ペットの体調が不安定になり、免疫力が低下しやすい時期です。特に以下の理由から、腫瘍が目立つことがあります。

  1. 被毛の生え変わり 換毛期には、毛が抜けることで皮膚の状態が見やすくなります。このとき、しこりやできものに気づく飼い主が増えます。
  2. 食欲や元気の変化 季節の変わり目は気温や湿度の変化により、体調を崩しやすくなります。腫瘍が内臓にある場合、これがきっかけで食欲不振や元気の低下が目立つことがあります。
  3. 触れたときの違和感 気温が下がり、ペットと寄り添う機会が増えると、体にしこりがあることに気づくケースがあります。

飼い主ができるチェックポイント

腫瘍の早期発見には、日頃の観察が大切です。以下の点に注意してチェックしましょう。

  • 皮膚のしこりやできもの:特に耳の後ろ、脇の下、太ももの付け根などの柔らかい部分は要チェックです。
  • 食欲や体重の変化:急な食欲不振や体重減少は、内臓腫瘍の兆候かもしれません。
  • 行動の変化:ぐったりしていたり、歩き方に違和感がある場合は、腫瘍が神経や筋肉を圧迫している可能性があります。
  • 口の中や目の周りの異常:口腔内や目の近くにも腫瘍ができることがあります。よだれや涙の量が増えたときは確認してみましょう。

季節の変わり目にできる予防と対策

  1. 定期的な健康診断 シニア期のペットは年に2回以上の健康診断を受けるのがおすすめです。血液検査やエコー検査で早期発見に努めましょう。
  2. バランスの取れた食事 免疫力を維持するためには、ビタミンやミネラルが豊富な食事が重要です。腫瘍の予防に良いとされるオメガ3脂肪酸を取り入れるのも効果的です。
  3. 適度な運動とストレスケア 季節の変わり目は運動不足になりがちです。ストレスが溜まると免疫力が低下し、腫瘍の発生リスクが高まるため、適度な運動を心がけましょう。
  4. 毎日のスキンシップ 触れ合いながら、ペットの体を優しく撫でることでしこりに気づくことができます。お腹や背中だけでなく、手足の付け根や口周りもチェックしましょう。

まとめ

犬や猫の腫瘍は、早期発見と適切な対策でリスクを軽減できます。季節の変わり目はペットの健康管理に特に気を配るべき時期です。普段からの観察やスキンシップ、定期検診を通じて、愛犬・愛猫が健やかに過ごせるように心がけましょう。

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