犬と猫の腫瘍と副流煙の影響について
ペットを家族の一員として大切にする飼い主さんにとって、愛犬や愛猫の健康は何よりも気になるものです。その中でも「腫瘍」は、犬や猫にとって深刻な病気の一つです。また、私たちの身近にある「副流煙」が、ペットの健康に悪影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?本記事では、犬や猫に発生しやすい腫瘍の種類や症状、副流煙との関係について詳しく解説していきます。
犬や猫に多い腫瘍の種類
犬や猫の腫瘍には良性と悪性があり、悪性の腫瘍は「がん」とも呼ばれます。以下は、犬や猫によく見られる腫瘍の種類です。
犬に多い腫瘍
- リンパ腫:リンパ球ががん化する病気で、全身のリンパ節が腫れることが特徴です。
- 肥満細胞腫:皮膚や内臓にできやすい腫瘍で、炎症を起こしやすいのが特徴です。
- 乳腺腫瘍:特に避妊手術をしていない雌犬に多く見られ、悪性のこともあります。
- 骨肉腫:大型犬に発生しやすい骨のがんで、痛みを伴い進行が早いのが特徴です。
猫に多い腫瘍
- リンパ腫:猫のがんの中で最も多く、特に白血病ウイルスに感染している猫が発症しやすいとされています。
- 扁平上皮癌:口の中や鼻、耳などにできる悪性腫瘍で、進行が早いことが特徴です。
- 乳腺腫瘍:雌猫に多く、約80~90%が悪性とされています。
- 線維肉腫:筋肉や結合組織に発生する腫瘍で、ワクチン接種部位にできることもあります。
犬や猫の腫瘍は早期発見が重要です。しこりができる、体重が減る、食欲がなくなるなどの症状があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
副流煙が犬や猫に与える影響
副流煙とは、喫煙者が吸う煙(主流煙)とは別に、タバコの先から出る煙のことを指します。人間にとっても健康被害が大きいことが知られていますが、犬や猫にとっても非常に危険です。
副流煙が犬や猫の健康に及ぼすリスク
- 呼吸器疾患のリスク増加
副流煙には有害物質が含まれており、それを吸い込むことで気管支炎や肺炎、喘息などの呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。特に鼻が短い犬種(パグやフレンチ・ブルドッグなど)や高齢の猫は呼吸器が弱いため、影響を受けやすいです。 - がんのリスクが高まる
タバコの煙には多くの発がん性物質が含まれており、ペットが長期間さらされることで腫瘍が発生するリスクが高まります。- 犬の場合:鼻の長い犬(コリーやシェパードなど)は鼻腔内のがんになりやすく、鼻の短い犬は肺がんのリスクが高いとされています。
- 猫の場合:猫は毛づくろいをする習性があるため、毛に付着した副流煙の成分を舐めてしまい、口腔内のがん(扁平上皮癌)になるリスクが高まると言われています。
- 免疫力の低下
副流煙を吸うことで体内に有害物質が蓄積され、免疫力が低下し、感染症や慢性疾患にかかりやすくなります。
愛犬・愛猫を副流煙から守るためにできること
① 禁煙する、またはペットの前で喫煙しない
最も効果的なのは、完全に禁煙することです。しかし、すぐに禁煙が難しい場合は、以下の対策を実践しましょう。
- 室内では絶対に喫煙しない(ベランダや庭でも煙が室内に入ることがあるため注意)
- 喫煙後は衣服を着替え、手を洗う
- 空気清浄機を使用しても副流煙は完全には除去できないため、過信しない
② ペット専用のクリーンな空間を作る
- ペットが過ごす部屋は常に換気を行う
- カーペットやカーテンに付着したタバコの臭いを定期的に掃除する
- 室内に観葉植物を置くことで、空気を浄化する効果も期待できる
③ 定期的な健康チェックを行う
- 動物病院での定期健診を受け、早期発見・早期治療に努める
- 口の中や皮膚の異常を日々チェックし、少しでも異変を感じたらすぐに病院へ
まとめ
犬や猫の腫瘍は早期発見が大切ですが、発生リスクを減らすためには、生活環境を見直すことも重要です。特に、副流煙は犬や猫の健康に大きな悪影響を及ぼすため、喫煙者の方は十分な配慮が必要です。愛するペットが健やかに暮らせるように、日頃から気をつけてあげましょう。
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