高齢になったら皮膚にイボだらけ?みんなそうなるの?
犬や猫が高齢になると、飼い主さんが気づく変化の一つに「皮膚のイボ」があります。体のあちこちに小さなできものが増えてくると、「病気なのでは?」「痛みはないの?」と心配になる方も多いでしょう。今回は、犬や猫の皮膚にできるイボについて、考えられる原因や対処法を詳しく解説します。
犬や猫の高齢期にイボが増えるのは普通のこと?
犬や猫も人間と同じように年齢を重ねると、皮膚にさまざまな変化が現れます。その一つが「イボ」や「できもの」の増加です。
✔ 皮膚の老化による変化
皮膚は加齢とともに新陳代謝が低下し、細胞のターンオーバーが遅くなります。その結果、皮膚の一部が厚くなったり、余分な細胞が増えたりして、小さなイボやできものができやすくなります。
✔ 皮膚の良性腫瘍ができやすくなる
犬や猫には、加齢とともに発生しやすくなる「良性腫瘍(しゅよう)」があります。良性の場合、特に治療の必要がないことが多いですが、見た目が気になる場合や、傷ついて炎症を起こす場合には、獣医師と相談して処置を考えます。
✔ 犬種・猫種による違い
犬では、シニア期(7歳以上)になると特にイボが目立つようになることが多いです。特に、ゴールデン・レトリーバー、ミニチュア・シュナウザー、シーズー、ラブラドール・レトリーバー などは、皮膚にできものができやすい傾向があります。
猫の場合は、犬ほど多くありませんが、シニア期になると皮膚のしこりやできものが増えることがあります。
どんな種類のイボができるの?
皮膚にできるイボやできものには、いくつかの種類があります。
① 皮膚組織球腫(ひふそしききゅうしゅ)
特に若い犬にできやすい赤みのあるできもので、自然に消えることが多いですが、高齢犬にもまれに見られます。
② 乳頭腫(にゅうとうしゅ)
いわゆる「イボ」のような形をしており、ウイルスが関与している場合もあります。小さく、痛みがないことが多いですが、大きくなると引っかかって出血することもあります。
③ 皮脂腺腫(ひしせんしゅ)
皮脂を分泌する腺が増殖してできる良性の腫瘍で、シニア犬によく見られます。小さくて丸いできもので、あまり大きくならなければ問題ありません。
④ イボ状の炎症や嚢胞(のうほう)
皮膚の毛穴が詰まり、炎症を起こすと、小さなイボのようなできものができます。膿がたまることもあるため、気になる場合は早めに診察を受けましょう。
イボを見つけたらどうすればいい?
高齢になると犬や猫の体にイボができることは珍しくありませんが、放置しても問題ないものと、注意が必要なものがあります。
✔ まずは観察する
イボができても、短期間で急に大きくならないか、色や形が変わらないかを観察することが大切です。
以下のような場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
✅ 直径が1cm以上に大きくなってきた
✅ 急激に成長している
✅ 触ると痛がる、赤くなっている
✅ 破れて血や膿が出る
✅ 形がいびつになっている
✔ 無理に取らない!引っかいたりしないように注意
犬や猫がイボを気にして舐めたり、引っかいたりすると、出血や炎症を起こすことがあります。エリザベスカラーを使ったり、服を着せたりして保護するのも方法の一つです。
✔ 気になる場合は動物病院で相談を
イボが増えてきたら、定期的な健康診断のタイミングで獣医師に診てもらうのが安心です。良性か悪性かは、見た目だけでは判断が難しいこともあります。
イボがあっても元気なら心配しすぎないで!
高齢になると、犬や猫の体にイボができるのは自然なことです。ほとんどは良性で、特に問題なく過ごせるものが多いですが、中には注意が必要なものもあります。
「おかしいな?」と思ったら、無理に自己判断せず、かかりつけの動物病院で相談することが大切です。早期発見・早期対応が、愛犬や愛猫の健康を守るポイントになります。
シニア期を迎えても、飼い主さんがしっかりとケアしながら過ごせば、快適な毎日を送ることができます。愛犬・愛猫のスキンチェックを習慣にして、健康を見守っていきましょう!
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