若くても腫瘍はできるの?犬猫の腫瘍について知ろう
「腫瘍」と聞くと、高齢の犬や猫にできるものというイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、実際には若い犬や猫でも腫瘍ができることがあります。今回は、若い犬猫の腫瘍について、どのようなものがあるのか、気をつけるべきポイントなどを解説します。
若い犬や猫にも腫瘍ができる理由
腫瘍は、細胞が異常に増殖することで発生します。加齢による細胞の変化が原因となることが多いですが、若い犬や猫にも腫瘍ができることがあります。その理由として、以下のような要因が考えられます。
1. 遺伝的要因
特定の犬種や猫種には、腫瘍ができやすい遺伝的素因を持つものがいます。例えば、ゴールデン・レトリーバーやボクサーは腫瘍ができやすいことで知られています。猫では、メインクーンやペルシャが腫瘍になりやすいといわれています。
2. ウイルス感染
猫の場合、「猫白血病ウイルス(FeLV)」や「猫免疫不全ウイルス(FIV)」などのウイルス感染が原因で腫瘍が発生することがあります。特にリンパ腫はこれらのウイルス感染と関連が深く、若齢でも発症することがあります。
3. ホルモンの影響
一部の腫瘍はホルモンの影響を受けることがあります。たとえば、未去勢・未避妊の犬猫では、乳腺腫瘍や精巣腫瘍のリスクが高くなることが知られています。
4. 環境要因や食生活
有害な化学物質や紫外線、栄養バランスの偏りが腫瘍のリスクを高める可能性があります。特に、屋外で長時間過ごす白い猫は皮膚がんのリスクが高くなることが知られています。
若い犬猫にできやすい腫瘍
若齢の犬や猫にできる腫瘍には、いくつかの特徴があります。代表的なものを紹介します。
1. リンパ腫(犬・猫)
リンパ腫は、リンパ組織に発生する腫瘍で、比較的若い年齢でも発症することがあります。猫ではFeLV感染と関連が深く、犬では特定の犬種(ラブラドール・レトリーバーなど)に発生しやすいとされています。症状としては、リンパ節の腫れや食欲不振、体重減少などが見られます。
2. 組織球腫(犬)
若い犬に多く見られる良性の腫瘍です。特に1歳未満の犬で発生することが多く、主に皮膚にできることが特徴です。多くの場合、数週間から数カ月で自然に消えることが多いですが、大きくなったり、化膿したりする場合は動物病院での診察が必要です。
3. 肥満細胞腫(犬・猫)
犬でも猫でも見られる腫瘍で、皮膚や内臓に発生することがあります。犬ではボストン・テリアやパグ、ラブラドール・レトリーバーなどに多いとされます。猫の場合、比較的若い年齢でも発生することがあり、皮膚にしこりができることが多いです。
4. 骨肉腫(犬)
大型犬に多く見られる骨の腫瘍で、前足や後ろ足の骨に発生することが一般的です。通常は高齢の犬に多いですが、まれに2~3歳の若い犬にも発症することがあります。歩き方がぎこちなくなる、足を痛がるなどの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
こんなしこりに注意!若い犬猫の飼い主さんができること
若い犬や猫でも腫瘍ができることを知っておくことは大切です。以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院に相談しましょう。
チェックすべき症状
- 皮膚や体のどこかにしこりがある
- しこりが急に大きくなったり、出血したりする
- 食欲が落ちている、体重が減っている
- ぐったりして元気がない
- 何度も嘔吐する、下痢が続く
早期発見・早期治療が腫瘍の治療には重要です。特にしこりを見つけた場合は、「小さいから大丈夫」と自己判断せず、動物病院で診察を受けることが大切です。
まとめ
若い犬や猫にも腫瘍ができることは珍しくありません。特に遺伝やウイルス感染、環境要因などが影響することがあります。しこりや体調の変化に気づいたら、早めに動物病院に相談することが重要です。大切な家族であるペットの健康を守るために、日頃からスキンシップを大切にし、小さな変化を見逃さないようにしましょう。
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