犬猫の腫瘍が増えている?その原因と予防策
犬や猫の腫瘍が増えている理由
近年、犬や猫の腫瘍(がん)に関する相談が増えています。動物医療の進歩により、ペットの寿命が延びたことが一因と考えられますが、それだけではありません。ここでは、犬や猫の腫瘍が増えている理由について詳しく解説します。
1. ペットの長寿化
獣医学の発展や飼育環境の向上により、犬や猫の平均寿命は大幅に伸びています。長生きすることで、加齢に伴う疾患として腫瘍が発生しやすくなるのです。
2. 環境要因の影響
ペットも人間と同じように、環境の変化が健康に影響を及ぼします。以下のような要因が、腫瘍のリスクを高める可能性があります。
- 食生活の変化:加工食品や添加物の多い食事
- 大気汚染:タバコの煙や排気ガスの影響
- 化学物質の影響:農薬や家庭用洗剤などの化学物質
3. 遺伝的要因
特定の犬種や猫種には、遺伝的に腫瘍ができやすいものがあります。例えば、ゴールデン・レトリーバーやボクサー犬はがんの発症率が高いことで知られています。猫では、白猫が扁平上皮癌になりやすいなどの特徴があります。
犬猫の腫瘍の種類と症状
犬や猫に見られる腫瘍にはさまざまな種類があり、良性と悪性に分けられます。
1. 良性腫瘍
良性腫瘍は、比較的進行が遅く転移しにくいものの、大きくなると生活に支障をきたすことがあります。
- 脂肪腫(リポーマ):皮膚の下にできるやわらかいしこり
- 乳腺腫瘍(特に未避妊の雌犬・雌猫で発生しやすい)
2. 悪性腫瘍(がん)
悪性腫瘍は、進行が早く他の臓器に転移するリスクがあるため、早期発見が重要です。
- リンパ腫:リンパ節が腫れる
- 肥満細胞腫:皮膚や内臓にできやすい
- 骨肉腫:骨に発生し、痛みを伴う
腫瘍を早期発見するためのポイント
犬や猫の腫瘍は、早期に発見し適切な治療を行うことが重要です。以下のポイントに注意しましょう。
1. 体を定期的にチェックする
飼い主がスキンシップを兼ねて、愛犬・愛猫の体を触ってしこりがないか確認することが大切です。特に以下の部位を重点的にチェックしましょう。
- 首や脇の下
- お腹や乳腺周辺
- 足の付け根
2. 定期的な健康診断を受ける
動物病院での定期健診は、腫瘍の早期発見につながります。特に中高齢(7歳以上)の犬猫は、年に1~2回の健康診断をおすすめします。
3. 生活習慣の見直し
- 栄養バランスのとれた食事を与える
- 運動を習慣づけることで免疫力を維持する
- ストレスを減らすため、安心できる環境を整える
もし腫瘍が見つかったら?
愛犬や愛猫に腫瘍が見つかった場合、まずは獣医師の診察を受けることが大切です。腫瘍の種類によって治療方法が異なります。
1. 手術療法
腫瘍が外科的に取り除ける場合、手術が選択されます。特に良性腫瘍や初期の悪性腫瘍では、手術によって完治することもあります。
2. 抗がん剤・放射線治療
進行したがんに対しては、抗がん剤や放射線治療が行われることがあります。副作用のリスクもあるため、獣医師とよく相談しましょう。
3. 緩和ケア
高齢のペットや治療が難しいケースでは、痛みを和らげる緩和ケアが選択されることもあります。ペットのQOL(生活の質)を重視しながらケアを進めます。
まとめ
犬や猫の腫瘍は増加傾向にありますが、環境や生活習慣の改善、定期的な健康チェックによって予防や早期発見が可能です。大切な家族の一員であるペットが健やかに過ごせるよう、日頃から健康管理を心がけましょう。
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