腫瘍って、癌のこと?ペットの健康を守るために知っておきたいこと
腫瘍とは?癌との違い
動物病院で「腫瘍(しゅよう)」という言葉を聞くと、多くの飼い主さんが「それって癌(がん)ですか?」と不安になるかもしれません。確かに、腫瘍と癌は密接に関係していますが、実は同じものではありません。
「腫瘍」とは、細胞が異常に増殖してできるできもののことを指します。腫瘍には大きく分けて良性腫瘍と**悪性腫瘍(=癌)**の2種類があります。
- 良性腫瘍:成長は遅く、周囲の組織に広がりにくい。基本的に転移しない。
- 悪性腫瘍(癌):成長が速く、周囲の組織に浸潤したり、他の臓器に転移したりする。
つまり、すべての腫瘍が癌ではなく、腫瘍の中には良性のものもあるのです。
ペットにできる腫瘍の種類
犬や猫にも、人と同じようにさまざまな腫瘍ができます。代表的なものをいくつかご紹介します。
1. 皮膚腫瘍
最も一般的な腫瘍のひとつ。脂肪腫(良性)や肥満細胞腫(悪性)などが含まれます。
2. 乳腺腫瘍
特に避妊手術を受けていない雌犬・雌猫に多い。良性と悪性の両方があり、早期発見が重要です。
3. 骨腫瘍
大型犬に多く、特に骨肉腫は悪性度が高いため注意が必要です。
4. 内臓腫瘍
脾臓や肝臓、腸などにできる腫瘍。進行するまで症状が出にくいことが多い。
5. 口腔腫瘍
歯茎や舌に発生する腫瘍で、メラノーマ(悪性黒色腫)は特に悪性度が高いとされています。
腫瘍ができたらどうする?
もしペットにしこりや腫れを見つけたら、まずは動物病院で診察を受けることが大切です。獣医師は以下のような方法で診断を進めます。
- 視診・触診:大きさや硬さ、形状を確認。
- 細胞診:針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で調べる。
- 生検(組織検査):一部または全部を切除し、詳しく検査。
- 画像診断:レントゲンや超音波、CT・MRIを使って内部の状態を確認。
診断結果によって、手術・化学療法・放射線治療などの治療法が選択されます。
腫瘍の予防と早期発見のポイント
腫瘍を完全に防ぐことは難しいですが、以下のような対策を取ることでリスクを減らしたり、早期発見につなげることができます。
- 定期健診を受ける:特に7歳以上のシニア期には、半年〜1年に1回の健康診断をおすすめ。
- 日頃のスキンシップを大切に:ブラッシングやマッサージをしながら、しこりがないかチェック。
- 避妊・去勢手術を検討する:乳腺腫瘍や前立腺の病気のリスクを減らせる。
- バランスの取れた食事を与える:免疫力を維持し、病気に強い体をつくる。
まとめ
腫瘍=癌ではなく、良性と悪性があることを理解することが大切です。ペットにしこりや異変を感じたら、自己判断せず、早めに動物病院で診察を受けましょう。早期発見・早期治療が、ペットの健康寿命を延ばす鍵になります。
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