【犬や猫の耳が腫れている?それは腫瘍?】
〜原因と対処法を詳しく解説〜
愛犬や愛猫の耳が腫れているのを発見すると、「腫瘍ではないか?」と心配になりますよね。
耳の腫れにはさまざまな原因があり、適切な対処をしないと悪化する可能性があります。
今回は、犬や猫の耳の腫れの原因や考えられる病気、対処法について解説します。
1. 犬や猫の耳が腫れる原因とは?
耳が腫れる原因は大きく分けて以下のようなものがあります。
① 血腫(耳介血腫)
耳の中に血が溜まって腫れる状態です。
主に以下の理由で起こります。
- 強く耳を掻く、頭を振る
- 外耳炎やアレルギーによる痒み
- 打撲やケガ
耳介血腫は放置すると耳が変形してしまうことがあるため、早めの治療が必要です。
② 外耳炎や中耳炎
耳の中に炎症が起こることで腫れが生じることがあります。
特に、以下の症状がある場合は要注意です。
- 耳をかゆがる、頭を振る
- 耳から悪臭がする
- 黄色や黒っぽい耳垢が増える
外耳炎や中耳炎は細菌やカビ(マラセチア)によって起こることが多く、適切な治療をしないと慢性化することがあります。
③ 腫瘍(耳のしこり)
耳にできる腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。
- 良性腫瘍(脂肪腫、乳頭腫 など)
ゆっくり成長し、痛みがないことが多い。 - 悪性腫瘍(扁平上皮癌、肥満細胞腫 など)
触ると硬く、急に大きくなることがある。
腫瘍かどうかは、細胞診(針を刺して細胞を採取する検査)や生検(組織を一部取って詳しく調べる検査)を行うことで診断できます。
④ アレルギー反応
食物アレルギーや環境アレルギーが原因で、耳が赤く腫れることもあります。
特に、痒みが強く、耳を頻繁に掻く場合は、アレルギーの可能性があります。
2. 犬や猫の耳が腫れていたらどうする?
① 自宅での確認ポイント
耳の腫れを見つけたら、以下の点をチェックしましょう。
✔ 腫れの大きさ・形は?(急に大きくなった?しこりがある?)
✔ 痛がっているか?(触ると嫌がる?)
✔ 耳垢や悪臭は?(黒っぽい?膿が出ている?)
✔ 他の部位も異常があるか?(体を痒がる?)
この情報をメモして、動物病院で伝えるとスムーズに診察が進みます。
② 動物病院に行くタイミング
以下のような場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 急に大きくなった腫れがある
- 出血や膿が出ている
- 痛がって触れない
- 繰り返し耳を掻く、頭を振る
病院では、視診・触診・検査を行い、原因に合わせた治療を行います。
3. 耳の腫れの治療方法
腫れの原因によって治療方法は異なります。
① 耳介血腫の治療
- 穿刺排液(溜まった血を抜く)
- ステロイドの注射
- 手術で血腫を取り除く(再発予防のため)
② 外耳炎・中耳炎の治療
- 耳の洗浄・点耳薬の使用
- 抗生物質や抗真菌薬の投与
- アレルギーが関係している場合は食事療法
③ 腫瘍の治療
- 良性腫瘍:大きくならない場合は経過観察。邪魔になる場合は外科的に切除。
- 悪性腫瘍:早期に手術で除去し、場合によっては抗がん剤治療を行う。
4. 耳の腫れを防ぐためにできること
① 定期的な耳のチェックと掃除
- 耳垢が溜まりやすい犬猫は、週1回程度の耳掃除を習慣にしましょう。
- 綿棒は耳を傷つける可能性があるため、専用のイヤークリーナーとコットンで優しく拭くのがポイントです。
② アレルギー対策
- 食事の見直し(低アレルゲンのフードを試す)
- 環境の改善(ハウスダスト・花粉対策)
③ 耳を掻く原因を減らす
- 外耳炎がある場合は早めに治療
- ノミ・ダニの予防を徹底
まとめ
犬や猫の耳の腫れは、血腫、外耳炎、腫瘍、アレルギーなどさまざまな原因で起こります。
原因によって適切な治療が異なるため、自己判断せずに早めに動物病院を受診することが大切です。
また、普段から耳のチェックやケアを行い、異常を早期に発見することが病気の予防につながります。
大切な愛犬・愛猫の健康を守るために、ぜひ定期的に耳の状態を確認してあげてくださいね。
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レラ動物病院
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