犬や猫の腫瘍と日光の影響 – 毛のない種類は要注意!

犬や猫の腫瘍と日光の影響 – 毛のない種類は要注意!

犬や猫の腫瘍にはさまざまな種類がありますが、特に毛の少ない種類のペットは、日光の影響を受けやすいことが知られています。紫外線を過度に浴びることで皮膚の細胞にダメージが蓄積し、腫瘍のリスクが高まることがあります。本記事では、犬や猫の腫瘍の種類や日光による影響、予防策について詳しく解説します。


腫瘍とは?

腫瘍とは、細胞が異常に増殖してできる「しこり」や「できもの」のことを指します。腫瘍には大きく分けて良性腫瘍と**悪性腫瘍(がん)**があります。

  • 良性腫瘍:転移することはなく、成長が遅い。例:脂肪腫、皮膚組織球腫
  • 悪性腫瘍(がん):進行が早く、周囲の組織を侵したり転移する可能性がある。例:扁平上皮癌、黒色腫(メラノーマ)

犬や猫の皮膚にできる腫瘍の中には、日光の影響を受けやすいものがあり、特に毛が薄い、または毛のない種類のペットは注意が必要です。


毛の少ない犬猫が日光で受ける影響

紫外線(UV)は皮膚細胞にダメージを与え、DNAを傷つけることで腫瘍の原因になることがあります。特に、以下のような犬猫は紫外線の影響を受けやすいとされています。

毛の少ない犬種・猫種

  • :チャイニーズ・クレステッド・ドッグ、アメリカン・ヘアレス・テリア
  • :スフィンクス、ドンスコイ、ピーター・ボールド

皮膚の色が薄い犬猫

毛が少なくなくても、皮膚の色素が薄い(白い)犬猫は紫外線の影響を受けやすいとされています。


日光による皮膚腫瘍のリスク

紫外線を長時間浴びることによって、以下のような腫瘍のリスクが高まります。

1. 扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)

最も日光と関連の深い腫瘍の一つ。鼻や耳、まぶたなどの毛が少ない部分に発生しやすい。

  • 症状:ただれ、かさぶた、出血するしこり
  • 発生しやすい場所:鼻、耳、目の周り、無毛部分

2. 血管肉腫(けっかんにくしゅ)

血管の細胞が異常増殖する腫瘍で、皮膚に発生することが多い。

  • 症状:赤黒いしこり、皮膚の変色
  • 発生しやすい場所:お腹、足、鼻など日光がよく当たる部分

3. 黒色腫(メラノーマ)

皮膚の色素細胞(メラノサイト)が異常増殖することで発生。

  • 症状:黒いしこり、不規則な形の皮膚の変色
  • 発生しやすい場所:口の中、目の周り、皮膚の色素が薄い部分

日光による皮膚腫瘍を防ぐ方法

毛の少ない犬や猫、または皮膚の色が薄いペットを紫外線から守るためには、以下のような対策が有効です。

1. 直射日光を避ける

  • 夏場の午前10時から午後3時の間は屋外での日光浴を控える。
  • 日陰を作ったり、木陰で休ませる。

2. ペット用日焼け止めを使用する

  • 犬猫用の日焼け止めクリームを耳や鼻、皮膚の薄い部分に塗る。
  • 人間用の日焼け止めは使用NG!(有害な成分が含まれている可能性がある)

3. UVカット服を着せる

  • 屋外に出るときは、UVカット機能付きのペット用ウェアを着せる。

4. 屋内でも日光対策をする

  • 窓から入る紫外線をカットするために、UVカットフィルムやカーテンを利用。
  • 室内での日向ぼっこも時間を決める。

5. 定期的な皮膚チェックをする

  • しこりやただれ、皮膚の変色がないか確認する。
  • 傷が治りにくいかさぶたができやすい部分がないか観察。

まとめ

毛の少ない犬や猫、皮膚の色が薄いペットは、日光による皮膚ダメージを受けやすく、腫瘍のリスクが高まります。特に紫外線の強い夏場は、日焼け止めやUVカットウェアを活用し、直射日光を避ける工夫をしましょう。

当院では、皮膚腫瘍の早期発見・診断・治療を行っております。愛犬や愛猫の皮膚に気になる変化があれば、お気軽にご相談ください!

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レラ動物病院
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