犬や猫の眼の腫瘍について〜原因・症状・治療法〜

犬や猫の眼の腫瘍について〜原因・症状・治療法〜

愛犬や愛猫の目に異常が見られた場合、それが腫瘍の可能性もあります。眼の腫瘍は視力の低下や痛みを引き起こすだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。本記事では、犬や猫の眼の腫瘍について詳しく解説し、早期発見のポイントや治療法について紹介します。


眼の腫瘍とは?

眼の腫瘍とは、眼球や眼周囲の組織に発生する腫瘍のことを指します。腫瘍には良性悪性があり、悪性腫瘍は進行すると転移するリスクがあります。早期発見と適切な治療が重要です。


眼の腫瘍の種類

1. 眼球内の腫瘍

  • メラノーマ(悪性黒色腫):犬で比較的多く見られ、虹彩や脈絡膜に発生することがあります。
  • リンパ腫:猫に多く見られる腫瘍で、進行が早く全身性の病気と関連することがあります。
  • 虹彩嚢胞:黒っぽい嚢胞が虹彩に形成されることがあり、無害な場合もありますが視覚に影響することがあります。

2. 眼瞼(まぶた)の腫瘍

  • マイボーム腺腫:まぶたの皮脂腺から発生する良性腫瘍。高齢犬に多く見られます。
  • 扁平上皮癌:猫の眼瞼に発生しやすい悪性腫瘍で、紫外線が原因のひとつと考えられています。

3. 結膜や角膜の腫瘍

  • 血管肉腫:血管組織に発生する悪性腫瘍で、進行が早い。
  • 扁平上皮癌:結膜に発生することがあり、初期は赤く腫れることが多い。

眼の腫瘍の症状

以下のような症状が見られる場合は、眼の腫瘍の可能性があります。

  • 目の中に黒や赤いシミができた
  • 眼が腫れている、または出血が見られる
  • 目の充血や涙が増えた
  • 視力低下(ぶつかる、物を避けられない)
  • まぶたや結膜にしこりができている
  • 痛そうにして目をこすっている

症状が進行する前に、獣医師の診察を受けることが重要です。


眼の腫瘍の診断方法

眼の腫瘍を診断するために、動物病院では以下のような検査が行われます。

  1. 視診・触診:眼やまぶたの状態を確認。
  2. 眼圧測定:腫瘍によって眼圧が上昇しているかをチェック。
  3. 眼底検査:眼球内部の状態を確認。
  4. 細胞診:腫瘍部分の細胞を採取し、良性か悪性かを判別。
  5. CT・MRI検査:眼の奥や周囲組織への広がりを評価。

眼の腫瘍の治療方法

腫瘍の種類や進行度によって治療法が異なります。

1. 外科手術

腫瘍が小さい場合や良性である場合は、手術で取り除くことが一般的です。眼瞼や結膜の腫瘍であれば、比較的早期の治療が可能です。

2. 放射線治療

悪性腫瘍が外科手術で取り除けない場合、放射線治療を行うことがあります。特にリンパ腫やメラノーマに対して有効とされています。

3. 化学療法(抗がん剤治療)

全身性の腫瘍(リンパ腫など)の場合、化学療法が適用されることがあります。

4. 眼球摘出

腫瘍が進行し、視力の回復が難しい場合は、眼球摘出手術を行うことがあります。犬や猫は視力がなくなっても適応能力が高く、生活の質を維持できることが多いです。


眼の腫瘍の予防と早期発見

眼の腫瘍を予防することは難しいですが、早期発見のために以下のことを心がけましょう。

  • 定期的な健康診断を受ける(特にシニア期のペット)
  • 目の異常がないか日常的にチェックする
  • 紫外線対策を行う(特に白い毛の猫はリスクが高い)
  • 涙や目やにの量が増えたら早めに受診する

まとめ

犬や猫の眼の腫瘍は、放置すると視力の低下だけでなく、健康全体に影響を及ぼすことがあります。早期発見と適切な治療により、ペットの生活の質を向上させることが可能です。

愛犬・愛猫の目に気になる症状がある場合は、当院までご相談ください。適切な診断と治療を行い、ペットの健康を守るお手伝いをいたします。

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レラ動物病院
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