犬や猫の耳の腫瘍について:原因と治療法

犬や猫の耳の腫瘍について:原因と治療法

愛犬や愛猫の耳にしこりや腫れが見られた場合、「腫瘍ではないか?」と不安になる飼い主の方も多いでしょう。耳の腫瘍は良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があり、早期発見と適切な治療が重要です。本記事では、犬や猫の耳に発生する腫瘍の原因、症状、治療方法について解説します。


耳の腫瘍とは?

耳の腫瘍は、外耳・中耳・内耳のいずれかに発生する異常な細胞増殖を指します。良性のものと悪性のものがあり、それぞれ治療法が異なります。

良性腫瘍

  • 耳垢腺腫:耳の中の分泌腺にできる腫瘍で、ゆっくりと成長します。
  • 乳頭腫:ウイルス性のことが多く、小さなイボ状の腫瘍です。
  • 線維腫:結合組織から発生し、比較的穏やかに成長します。

悪性腫瘍

  • 耳垢腺癌:耳垢腺腫が悪性化したもの。
  • 扁平上皮癌:猫で比較的多く見られる皮膚のがん。
  • メラノーマ:悪性度が高く、転移しやすい腫瘍。

耳の腫瘍の原因

耳の腫瘍の正確な原因は明確には分かっていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

  • 慢性的な炎症(外耳炎、中耳炎)
  • 紫外線の影響(特に白猫の耳)
  • 遺伝的要因
  • ウイルス感染
  • 加齢による細胞の変異

耳の腫瘍の主な症状

腫瘍の種類によって症状は異なりますが、以下のような変化が見られることがあります。

  • 耳にしこりや腫れができる
  • 耳から血が出る、または分泌物が増える
  • 耳を頻繁にかく、こすりつける
  • 頭を傾ける、バランスを崩す
  • 耳の臭いが強くなる
  • 食欲の低下、元気がなくなる(進行時)

診断方法

動物病院では、以下のような方法で診断を行います。

  1. 視診・触診:耳の外観を確認し、しこりの大きさや硬さを調べます。
  2. 細胞診・組織検査:腫瘍の細胞を採取し、良性・悪性の判別を行います。
  3. X線・CT検査:腫瘍が深部に及んでいるかを確認。
  4. 血液検査:腫瘍が全身に影響を及ぼしていないかをチェック。

耳の腫瘍の治療法

耳の腫瘍の治療方法は、腫瘍の種類や進行度によって異なります。

1. 手術(外科的切除)

良性腫瘍の場合は、手術で完全に切除することで根治することが多いです。悪性腫瘍の場合も、可能な限り腫瘍を切除することで症状の進行を抑えることができます。

2. 放射線療法

手術で完全に切除できない場合や、転移のリスクがある場合に用いられます。

3. 抗がん剤治療

進行した悪性腫瘍では、抗がん剤を使用して腫瘍の成長を抑えることがあります。

4. 炎症の管理

耳の炎症が腫瘍の発生や悪化に関与していることが多いため、抗生物質や抗炎症剤を使って炎症をコントロールします。


予防策と早期発見のポイント

耳の腫瘍を予防するために、以下の点に注意しましょう。

  1. 定期的な健康診断
  2. 耳の清潔を保つ(外耳炎の予防)
  3. 白猫など紫外線の影響を受けやすいペットは日差しを避ける
  4. 耳を頻繁に気にするしぐさがないか観察する

まとめ

犬や猫の耳の腫瘍は、良性・悪性のどちらも存在し、早期発見と適切な治療が重要です。耳にしこりや異常が見られた場合は、自己判断せずに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

当院では、耳の腫瘍を含むさまざまな皮膚・耳の疾患に対応しております。愛犬や愛猫の耳に気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください!

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レラ動物病院
〒001-0907
北海道札幌市北区新琴似7条9丁目5−8
011-769-2500
セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-