変形性脊椎症について
変形性脊椎症(Spondylosis deformans)は、脊椎に骨の変化が生じる疾患で、特に高齢の犬や猫に多く見られます。脊椎の変形や骨の突起(骨棘)が原因となり、痛みや動作の制限を引き起こすことがあります。本記事では、変形性脊椎症の原因や症状、診断方法、治療法、そして予防策について詳しく解説します。
変形性脊椎症の原因
変形性脊椎症の主な原因は加齢によるものですが、以下の要因も発症リスクを高めます。
- 加齢:老化に伴い脊椎に変化が生じる
- 遺伝的要因:特定の犬種(ジャーマン・シェパード、ダックスフンドなど)は発症しやすい
- 過度な運動や負担:脊椎に長期間負荷がかかると変性が進む
- 肥満:体重の増加による負担が脊椎に影響を与える
変形性脊椎症の症状
変形性脊椎症の症状は徐々に進行するため、初期段階では気づきにくいことがあります。以下のような症状が見られたら注意が必要です。
- 背中を丸める、または触られるのを嫌がる
- 歩き方がぎこちない、または足を引きずる
- 起き上がるのに時間がかかる
- 階段の上り下りを嫌がる
- 活動量の減少や寝ている時間が増える
- 排尿・排便のコントロールが難しくなることも
診断方法
変形性脊椎症の診断には、以下のような検査を行います。
- 触診:脊椎の変形や痛みを確認
- X線検査(レントゲン):脊椎の変形や骨棘の有無を確認
- CT・MRI検査(必要に応じて神経への影響を評価)
診断が早期に行われることで、適切な管理が可能になります。
治療方法
変形性脊椎症の治療には、保存療法(手術をしない治療)と外科手術の2つの方法があります。
1. 保存療法
- 体重管理:適正体重を維持し、脊椎への負担を軽減
- 適度な運動:無理のない範囲で動かし、筋力の低下を防ぐ
- 薬物療法:消炎鎮痛剤や関節サプリメントの使用
- リハビリテーション:水中療法やマッサージで痛みを軽減
2. 外科手術
症状が進行し、保存療法では改善が難しい場合は手術を検討します。
- 骨棘の除去:神経への圧迫を軽減するための手術
- 脊椎固定術:不安定な脊椎を安定させる手術
予防と日常ケア
変形性脊椎症を予防するためには、日々のケアが重要です。
- 適切な食事管理:高品質なフードを与え、栄養バランスを保つ
- 適度な運動:関節や脊椎に負担をかけない運動を継続
- 体重管理:肥満を防ぎ、脊椎への負担を軽減
- 滑りにくい床にする:フローリングにはマットを敷くなど、転倒を防ぐ環境を整える
- 定期健診を受ける:早期発見・早期治療が重要
まとめ
変形性脊椎症は加齢とともに進行することが多いため、早期発見と適切なケアが重要です。特に高齢のペットでは、定期的な健康診断を受け、症状の進行を抑えるための対策を行いましょう。
当院では、変形性脊椎症の診察や治療を行っています。ペットの健康について気になることがあれば、お気軽にご相談ください!
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レラ動物病院
〒001-0907
北海道札幌市北区新琴似7条9丁目5−8
011-769-2500
セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-